2018年1月2日火曜日

小野不由美「東亰異聞」(1994)

小野不由美の「黒祠の島」が面白かったので2冊目を手に取った。「東亰異聞」(1994)の平成11年版新潮文庫。100円でゲット。

どんな内容なのかまったく知らないまま読み始めた。最初は黒衣と人形の会話が、何か歌舞伎の口上のようだったり、文明開化明治東京のイメージがつかみにくい。

だが、東亰(とうけい)は明治27年東京パラレルワールドだった。ジャンル的には本格推理っぽさのある魑魅魍魎ファンタジーホラーミステリー。京極夏彦に近い作風?

帝都には火炎魔人と闇御前とよばれる謎のシリアルキラーが跋扈していた。新聞記者の新太郎と、浅草大道芸に精通した万造のコンビが調査に乗り出す。どうやら鷹司家の家督相続が関係している事件なのではないか?

登場人物が多いので集中して聴き込み調査や会話を読みたい。浅草十二階での殺人事件はまるでエラリーを読んでいるかのような本格ミステリ展開。

とても面白くて引き込まれる!新太郎&万造コンビがいい感じ。ずんずんページがめくれる!

でもやっぱり最後はファンタジーホラー。がらっと雰囲気が弾けるように変わる。まったく予想してなかった展開へ。
これは映像化が難しそうだ。アニメでないと不可能かも。

小野不由美やっぱり面白い!こんな作品を無から生み出す作家ってすごい。すごすぎる。これからも小野不由美を読み進めようと思うのだが、屍鬼シリーズは5巻もあってちょっと手を出せない。1冊で読めるものを選んでいこうと思う。

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