2017年9月4日月曜日

W.アイリッシュ「幻の女」(1942)

ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」(PHANTOM LADY, by William Irish 1942)の1979年ハヤカワ・ミステリ文庫版(稲葉明雄 訳)1992年第26刷がそこに100円であったので連れ帰った。ま、有名な本だし。いずれ読もうと思って。
夜は若く、彼も若かった。が、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
という有名な書き出しで始まる。アイリッシュの筆致はとにかくおしゃれ。英米の文学者は表現がみんなかっこいいな。

妻殺害容疑を掛けられた男、アリバイを証明できるのはその夜6時間を共に過ごした名前も顔も覚えていない女だけ。その夜男を目撃したはずのバーテン、ボーイ、タクシー運転手、そろってみんな男は覚えていても一緒にいた女をまったく覚えていない…。

で、死刑判決。男の運命は死刑執行までの数日間で女を捜す友人に託された…という話。

え?アメリカってそんなに簡単に死刑判決がでるの?アリバイがなく動機があるだけで?しかも執行期限が判決と同時に出される?アメリカって怖すぎる。日本の死刑制度はまだマシ?!

ひゃあ、読み終わって衝撃を受けている。これは面白かった。予想外の結末だった。バージェス刑事は読者を上回ってた。なるほど、古典的名作だ。

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