アガサ・クリスティー「ナイルに死す」(DEATH ON THE NILE, 1937)の加島祥造訳1984年版ハヤカワ・ミステリ文庫(2001年第28刷)がそこに100円であったので買って帰った。
これ、15歳ぐらいのときに読んでいる。今になってこうして買いなおしてる。そのときもこの真鍋博イラストカバー表紙のハヤカワ文庫版だった。この表紙のほうが古典ミステリーっぽくて好き。
この本、クリスティ女史の作品としてはめずらしく457ページの大長編。しかも半分あたりまで読まないと事件が起こらないw だが、読んでいて飽きない。
英米からそれぞれの事情がある男女がナイル川遊覧観光船に集まる。やがて20歳の美貌の資産家女性が頭を撃ち抜かれて死んでいる…。
そして第2、第3の殺人が。クリスティ作品としては予想外に大量の死者が!
クリスティ女史としても「ナイルに死す」は自信作。ネット上で多くの人がこの作品を最高傑作のひとつに推している。それほどの傑作で人気作。旅行記でもありラブロマンスでもある。クリスティの筆致に感心しかない。
殺人事件発生までの前段がとにかく長いのは、人物関係が実はこうじゃね?って気づいてしまうと動機も犯人もそれほど意外でもなくなるから?
読者をミスリードするためにもこの長さが必要だったのかもしれない。だが、長くて序盤と中盤のことは最後の頃には忘れてたw
訳のせいかもしれないけど、ポアロが好々爺紳士の印象。汗もかかずに事件を解く。
自分がこれまでに読んだクリスティ作品でのアクの強いポアロは感じなかった。ラストでのラブコメみたいな展開もただ傍らで黙って見ているポアロ。
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