2017年8月26日土曜日

リップヴァンウィンクルの花嫁(2016)

2016年に公開された岩井俊二監督作「リップヴァンウィンクルの花嫁」を見る。これ、原作小説も岩井俊二による黒木華主演作。どんな内容なのか、タイトルからまったく予想がつかない。

生徒からナメられてる非常勤講師先生を見るのはつらい。大友花恋が極悪生徒!w
だが、ネットを使って授業してるたった1人だけの生徒からは慕われる。

恋人紹介サイトで知り合った教師と婚約するのだが、なりゆきをSNSでナレーション解説。それが2010年代後半の時代を映す。

両親離婚してるヒロインはまともな結婚式もできない。結婚式での出席者代行サービスを取り仕切る綾野剛が登場。こいつがすごく胡散臭すぎて怖い。

旦那の浮気相手の恋人なる男(和田聰宏)が部屋にやって来る。ホテルで会う。旦那の母親(原日出子)に「タクシーで帰れ!」って言われる。
このへんがまるで松本清張サスペンスを読んでいるようで怖い。
このヒロインがまったく歯止めなく漂流する。「自分が今どこにいるのかわからない!」

まったく強く主張できないし反論できない女の子の末路がつらい…。スマホ1台転落人生…。
愛しい乃木坂ちゃんや欅ちゃんが将来こうなったら…、考えただけでそれは恐怖。

結婚だけでなく、この世界はみんなで虚構を演じてる部分もあるな。
簡単に人を信じちゃいけない。流されたままじゃいけない。

まるで香港や上海の如才ないビジネスマンのような綾野剛。最初はこいつが悪魔なんじゃないか?と思った。別れさせ屋の件はたまたま偶然ってこと?そこ、もっとわかりやすくしてほしい。
だが、ヒロインはコイツに従って流されるだけなのにわりと良い方向に向かった。いいひとだったの?あのマザコン教師と別れたのは正解だったわけだし。

豪邸住み込みメイドバイトはそれまでの暗い人生からしたら、しばしの楽しい時間。
ここから先の黒木華はチャーミング。
Coccoの演技が超自然すぎて笑う。この人は本当にすごい。

後半は末期がんAV女優のドキュメンタリーみたいになって退屈。
りりぃさんの短いシーンで存在感出してた。アル中か認知症で自暴自棄でもないとあんなことはできないな。

この映画と脚本は女優・黒木華にホレ込んだ岩井俊二が黒木をイメージして書いたもの。岩井がいかに黒木のことが好きか伝わってくる映画。もっと笑いの要素があればよかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿