青柳碧人「双月高校、クイズ日和」(講談社文庫 2013)という本を100円で見つけて気まぐれで買ってしまった。
昨年の初夏ごろ急に「アメリカ横断ウルトラクイズ」の面白さに目覚めたw
そして今年の夏はアニメ「ナナマルサンバツ」で競技クイズの面白さに気づいた。
あと、乃木坂関連でクイズ王・古川の存在を知ったw
この本はそんな流れのタイミングで出会った。ジャケットから推測して高校生のクイズ研究会(同好会)青春ノベル。
著者は1980年生まれの早稲田クイズ研OBだそうだ。自分も一時期教室内で高校生クイズごっこをしていただけに他人と思えないところがあるw
ライトな一冊なので土曜の夜一晩で読めた。
「ナナマルサンバツ」が競技クイズの裏側やテクニックも描いているのに対し、「双月高校」は喜怒哀楽の暑苦しい青春小説。
平均的な公立校に入学した主人公は、クイズ同好会設立のためにチラシを配っている変わり者の2年生と出会う。「来年は高3なので、高校生のクイズ大会に出たい!」
そしていろんなクイズ仲間が集まる。こういう小説には内気な主人公の少年と、学園一の美少女も、不良少女も。
で、同好会の発起人である3年生リーダーが一番クイズの実力が低い。大会に出場するメンバーから外さないといけない…ってみんなが悩むとか、そういうのリアル。
「出題者は嘘をつかない」とか、なにげに名言っぽく聞こえるw
この本に出てくる問題が意外に難しい。自分が高校時代に競技クイズにのめり込めなかった理由は、高校生のクイズレベルが今の大人基準から見ても高すぎたことにある。
10代の知識の吸収力はすごすぎる。人名辞典やアカデミー賞受賞作のリストなんかを、あたりまえのように暗記していく。自分、そこそこ物知りのつもりでいたけど、そこまではできないわw
この文庫本、なんと福留功男サンがあとがきを書いている!w
「私が司会を務めたアメリカ横断ウルトラクイズは、1977年に放送が始まり、後に最高視聴率34パーセント超というお化け番組に成長する。」という書き出しで始まる。ちゃんとこの本を読んで感想と解説を書いている。
福留サンはアメリカ横断ウルトラクイズの裏側を本に書いているので、ここに書かれていることはオタたちには新しいことではないかもしれない。
「高校生でもウルトラクイズに出たい!」という声に応えて、福留サンたちは1983年に「高校生クイズ」を企画する。
番組立ち上げに際して、福留サンは「スポンサーや視聴率の都合で簡単に番組を打ち切らないこと」を条件にあげたという。「学生たちの純粋な情熱を踏みにじるようなことはしたくなかった」
今年も7月25日に37回目の高校生クイズがやってくる。ずっと一社提供してきたLIONさんは立派だ。
高校生クイズはスマホが必要だったり、放送開始時とは大きく姿を変えた。クイズに情熱を燃やすのもいいけど、運不運に左右されるゲームなんだよという人間ドキュメンタリーとしてのウルトラクイズの原点に立ち返るようなものが見たい。
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