2015年1月7日水曜日

第9交響曲

「ノルウェイの森」を読んでると、昔の学生はベートーヴェン、バッハ、ラヴェル、マーラーなんかをよく聴いている。高価なLPレコードで真剣に。ハルキの周辺だけだったかもしれないけど。自分も中古で興味を持ったCDを「あ、安い!」と、つい買ってしまう。だが、いつか聴こうと思って買うのだが、まだ聴いてないCDが大量にある。年末にがんばって何枚か聴いた。年末ということでベートーヴェンの第9を3枚まとめて、紅白の時間に作業しながら聴く。紅白は数年前から録画しておいて後日、必要な箇所だけ早送りで見るものになっている。

まず、カルロ・マリア・ジュリーニロンドンSOによる1972年のEMI盤。これは2年ほど前に500円で手に入れた。イタリアのスター指揮者と英国のオケと歌手によるインターナショナルな華やかな演奏。ジュリーニは晩年もスーパーダンディなイタリアの伊達男だったけど、若い頃は渡辺謙みたいな感じでかっこいい。

ジュリーニの第9は他オケとのもよく聴かれているらしいけど自分はこれしか聴いてない。米Amazonとかのレビューを見てみても人気が高いみたいだ。細部まで神経の行き届いた演奏という評価をする人もいるけど、自分の感覚だとそれほどカッチリと統一されたわけでもないように思う。ジュリーニにしてはテンポが適切でいい感じ。

Disc1のNew Philharmonia Orchestraとの「田園」はさらにいい演奏。
次に、ポーランドの巨匠スタニスワフ・スクロヴァチェフスキとドイツのザールブリュッケン放送SOによる第9(OEMS CLASSICS 2006)。これも500円で1年ぐらい前に手に入れた。

自分からすると第9は第2楽章が超名曲。自分にとってはここがクライマックス。第1楽章、第2楽章と聴いたらあとはオマケでつきあう感じ。

とにかくキッチリカッチリと精密機械のようにスコアを見せてくれるような演奏で、今回聴いた中では自分としては一番面白く聴けた。

第3、第4楽章はもうあっさりサラサラ……。

刺激は高いけどテンション低くゼロカロリー。合唱部は聴きなれた演奏と違っていた。

次に、チェコの巨匠ラファエル・クーベリックバイエルン放送SOによる1982年のヘレクレスザールでのライブのORFEO盤。これも2年ぐらい前に500円で見つけていつか聴こうと部屋に置いてあったもの。

重心の低い、あまり細部が聴き取れないもっさりした録音になってる。ライブ盤なので完璧な演奏というわけにはいかない。

だが、熱気があって緊張感があってテンション高い刺激的な表現の詰まった1枚。歌手もいい感じ。

自分は4楽章だとトルコ行進曲のあとのオケの嵐のクライマックスが好き。この箇所がしゃかりき一生懸命さがスリリングに伝わってくる。

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