2014年7月26日土曜日

松尾スズキ 「クワイエットルームにようこそ」(2007)

フリーライターのヒロインが目から覚めるとそこは隔離病棟で完全拘束されている。何が何だか分からない状況。やがてヒロインに起こった事実が判明していく……。

ブラックでポップでパンクでアナーキーで、軽薄かつ重い。とにかく何もかもがぶっとんでるメチャクチャな映画。2007年の映画だけど、何で今まで見ないでいた?と後悔するほどに自分に衝撃を与えた1本。

自分は何も予備知識がなく見始めたのだが、意外に豪華な脇役たちに驚いた。ヒロインの回想と女子精神病棟内でほとんど進行するのだが、登場してくる人々がもれなくみんなどん退きするぐらいイっちゃってて圧倒される。
ヒロインの旦那の放送作家・宮藤官九郎のキモチワルサもすごいが、もれなくみんなキモチワルイ。

アホで軽薄なだけの妻夫木聡、頭から血を流してぶっ倒れるだけの医師・庵野秀明、ヒロインの元旦那なだけの塚本晋也、ヒロインを助けるマトモな患者・中村優子は普通の人。

ヒロインの旦那で放送作家の宮藤官九郎も、鉄のナースりょうもわりとまとも。蒼井優はもうひとりのヒロインといっていい。
ただ、大竹しのぶの役だけが目を背けたくなるほど不快で醜悪。自分がヒロインならコイツを殺してる。平岩紙、高橋真唯、箕輪はるか…誰もが強烈な印象。「誰にも迷惑かけて無い!」と絶叫して椅子を振り回して暴れる馬渕英俚可の凶悪なキレっぷりもすごい。

だがなんといっても自分を打ちのめしたのは主演女優の内田有紀。パンクでアナーキーな人生を送っているけど、自分を正常だと思って戸惑うヒロインを演じた。圧倒された。

酒飲んで睡眠薬を大量摂取し緊急搬送入院の顛末記というブラックコメディをここまで面白くできたのは、松尾の原作脚本も素晴らしかったが、内田有紀という女優の魅力によるところも大きかったと感じた。この映画は内田の代表作といっていいのかもしれない。

内田有紀という人は90年代中頃までアイドル女優として活躍。歌手として多くのCDも出した。結婚後はほぼ引退していたと自分は認識していたのだが、30代になってさらに魅力的になっていた。自分はぜんぜん気づいていなかった。離婚後の本作で9年ぶりの映画主演ということだが、業界内に多くのファンがいたんだろうと思う。

俺もこの人にめちゃくちゃにされたい……って思いながら見ていた。見終わった後、もっともっと内田有紀のことを知りたいと思っていた。これは恋かもしれない。はぁ……とにかくカッコよくて美人でスタイルがよくて、すごく憧れる。

面白かった!何度でも見たい。オレのまさみにもいつかこんなぶっとんだ映画を期待してる。

この映画を見ていて昔、「電波少年」というテレビ番組があったことを思い出した。若手芸人には何をしたっていい、という番組方針が後に、若者や社会弱者には何をしたっていい、メチャクチャにして搾取してもいいという風潮を企業経営者たちに与える一因だったかもしれない……と思った。

3 件のコメント:

  1. 広島風お好み焼き2014年7月26日 19:38

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    YUIさんの生存確認!
    1カ月振りかな?
    茶髪になってて自分はホッとしました笑

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    久しぶりに4人集まったとか、言葉を発したとか、小さく写真に写ってるとか、たったそれだけのことでこれほど世間を騒がせるってすごいぞ。

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  3. 広島風お好み焼き2014年7月28日 22:39

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    その通りです
    自分にとってもとても大きな存在です
    最近はYUI欠乏症にも慣れて決ました泣

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