2014年7月25日金曜日

岩井俊二 PiCNiC (1995)

この映画の存在はずっと以前から知ってはいたのだが、長年放置していた。だが、まさみがひと月ほど前に例のイン〇タグラムで、「すごく好きで何度も見た」というから、自分も見てみることにした。70分で見終わる。これぐらいの長さが疲れなくていい。

岩井俊二は好きな監督なのだが、これは自分とは合わない1本だろうなと思っていた。

Charaが冒頭いきなり精神病患者隔離施設のような場所へ車で運ばれる。芝居がかって暴力的なナース、エゴンシーレの絵画のような患者たち、白衣の下はランジェリー伊藤かずえ医師、廃墟のようなコンクリートの病院、拘束着に注射器……。

浅野忠信ツムジは時折、かつて殺した説教臭い中年男性教師の幻覚を見る。これが、え?!そんな方法が?というぐらいに斬新でグロい。これを見たら誰でも「何だこりゃ?!」と思うに違いない。まさに化物。ちょっと笑ってしまう。いや、絶対笑わせようとしている。岩井俊二は必ずこんなヘンテコなものを挟んでくる。

同室の若者(橋爪浩一、故人、享年26)がずっと自慰をしている……。ちょっとくじけそうになるけど、ホントにまさみはこれを見たのか?まさみが面白いというのだから、がんばって見続ける。

塀の上という世界の境界をさ迷い歩く狂人視点のロードムービー的ファンタジー童話か?鈴木慶一神父(意外なキャスト)からもらった聖書を読みつつ、地球最後の日を見届けるために浅野忠信&Chara の二人が歩き続ける。間抜け警察官から銃を奪う。そんなことになったら厳戒態勢だ。ま、リアリティのない残酷でグロいおとぎ話。

塀から落下して血まみれの男がふらふら彷徨い歩くショッキングシーンを、単純なピアノの音楽をバックに長く見せられる意味がわからない。

この映画は浅野&Chara夫妻が出会った映画として知られている。二人が若い。顔の肌がツルツルで、なめらかで端整。これを見ているまさみは、いつか自分も映画で出会うイメージでもしているんだろうか。

ラストシーンの画にはこだわりを感じるけど、もっと全編を幻想的に美しい映画にもできたかもしれない。だが、コンクリート現実世界に旅する3人を置いている。そこは岩井が意図したものなんだろう。

おもしろかったか?うーん……、なんとも言えない。

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