世界各国の現地時間に対応したWorld Traveler というモデル。なんと目覚まし時計にもなる。コンパクトカメラにしては大振り。フィルムカウンターの数字のデザインがおしゃれ。ファインダーがきれい。しかし、レンズ開閉スイッチが構造上やや建て付けがよくない。高級感がみじんもない。
自分はキャノンのコンパクトカメラを触るの初めて。どうもデザイン的に興味を持てなかった。だが、28mという広角レンズと48mに切り替えられるテレワイドというスペックのカメラが1台あってもいいと思ったし、108円だったのでつい買ってしまった。
まだ生きてる電池(2CR5)が入ったままだった。だが、問題があった。
フィルム蓋のツメが欠損していて蓋が閉まらない…。あまり使い込んだ形跡がないので、ツメが欠けてしまってそのまま放って置かれたジャンク品なんだろう。買ったほうも可哀そうに。
キャノンのカメラはこんな壊れ方をしたものが多い。壊れにくい素材を使うべきだった。
うーん、これ、治せるかな。でもまあ108円だし。
だが結局どう修復していいのかわからないので、後日これを手に入れた。
これは自分なら通常手を出さないジャンク。ファインダー部分の部品が欠落してるし。
324円もしたので迷ったが、裏蓋がそのまま使えそうだと思った。
内部で接着してある箇所があって、その内部のパイプをリード線が通ってる。
結局、ドナーから移植する方法は断念。
324円が無駄になった。このカメラは強度的に欠陥がある。この2台がストラップを付ける箇所にまったく同じクラックが発生していた。内部の同じ箇所が破損していた。
両側の接着面をナナメに確保しアロンアルファで接着。
充分に乾いてから何度も開閉してうまく閉まるように調整して削りだす。はみ出た接着剤を削る。
仕上げにエポキシ樹脂系接着剤で両側からコーティングするように補強。そして蓋が閉まるように調整削り。これでうまく行ったはず。うん。長期的な振動やショックには耐えられるかは不明だが、散歩には耐えるだろう。
海外に70年代80年代のカメラのマニュアルをPDFファイル化して公開してくれている方がいて大いに参考になった。ファインダー横にある目玉のマークがついたスイッチが何のためにあるのか、考えてもまったくわからなかったけど、これは観光地で「すいませ~ん、写真撮ってもらえますかぁ」的状況になったときに押して渡すというスイッチであることが判明。だが、パンフォーカスになるだけなのか、それとも2~3m付近にピントが合うようになるのか、カメラ内で何が起こっているのかは不明。ま、こんな機能使わないからいいけど。
あと、フィルムを実際に入れて蓋を閉めてみても、撮影可能な状態にオートローディングしてくれなかった……。そこは壊れているのか、フィルム開閉をカメラが検知できない状態なのか不明。なので、フィルムを入れたら2回空シャッターを切るという方法で対処する。ジャンクカメラで遊ぶのはいつもそんな感じ。相手に合わせて使う。ぐがあああ~という巻き上げ音がやはり安っぽい。
では今年のGWに岩手旅行へ持っていった試写の結果。フィルムはFUJICOLOR C200 36枚撮り。
たたずまいがただごとでない。このまま打ち棄てられているのがもったいない。整備してフィルムコミッションがロケを誘致してほしいけど、山奥すぎてそれもままならないのか。このままだと大雪や台風で倒壊するかもしれない。
床も天井も一部抜け落ちている。打ち棄てられた学校を、棄てられたカメラで撮る俺。
これが北三陸リアス式海岸だ。
28mという画角が街角風景写真を撮るのに便利!だが、ジャンクで買ったときから入っていた電池を使ったからなのか、電源入れてシャッターを押せるまでに時間がかかった。
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