新山詩織@JOIN ALIVE を見た。泣いた。

JOIN ALIVEで新山詩織を初めて見た。事前になんら知識がないままに。ロッキングオンHやらJAPANやらで取り上げられ始めているのはなんとなく認識していた。だが、自分はYUIに似ている新人アーティストにはちょっと構えてしまうところがある。意識的に情報を遮断しているところがあったのかもしれない。しかもこの子はやり手のビーイングだ。YUIの成功モデルをずっと研究していただろう。

フラフラが終わって2時間後、昨年から新設されたNew WALTZで新山のライブが始まる。このタイムテーブルは絶対にYUIを聴きに来た層に新山を聴いてもらうためにセッティングされたに違いない。YUIが好きな人ならきっと新山も好きになってくれるはずだという強い思いを感じ取った。自分もRose Stageで秦基博を聴いてからNew WALTZステージへと駆けつけた。開始20分ぐらい前だったと思うが、意外にも5,6人ぐらいしかステージ前のフェンス辺りに人がいない。日差しが強すぎるからか？

新山詩織は能年玲奈に似ていると言われている。自分もこの子がサウンドチェックに現れた瞬間「能年じゃん！」って思った。だが、サウンドチェックを見ているうちに「電車男」のころの堀北真希じゃん！とも思うようになってきた。つまり、それだけ色白ですっごい美少女だったということだ。この日の衣装は白いシャツに下は７分まで裾をまくった派手な柄。黒いハイカットブーツだったかな。見えている白い左ふくらはぎ側面に赤い湿疹があった。

新山の使っているアコギはFenderのGA-45SCE　この日ここに集まったオーディエンスのほぼほとんどがこのモデルを弾いていたあるアーティストを思い浮かべただろうと思う。

リハの段階から全力。多くの聴衆をステージ前に集めたに違いない。この子は目線の焦点が近くのものしか見ていない。たまに力のない笑顔を見せる。明らかに強く緊張していてイッパイイッパイに見える。「15時から始まります」と言って脇に消えたがすでにこのとき15時を過ぎていた。ふたたびステージ上に現れるとアコギ弾き語りで「だからさ」を歌い始める。途中からステージ脇からバンドメンバーも加わってライブスタート。

聴いているうちに完全に引き込まれていった。こんなにも一生懸命に真剣に、泣いているかのような苦しそうな顔で、自分の言葉で思いの丈をエモーショナルに全力でマイクにぶつけている姿に感動した。泣いた。

声が低くて暗くて美しい。青白い輝きを放っていた。もうなにもかもがすばらしいと思った。雰囲気が独特でいい。2005年ごろのYUIの雰囲気を感じる。

「新山詩織、17歳です。ずっとあこがれていた夏フェスに出られて本当にうれしいです」というようなことを言っていた。緊張で声が震えているように感じた。額に汗がにじんでいた。本当の音楽ファンが集まる夏フェスでライブをするなんて、誰だって怖い。まして17歳の女の子にとってそれは恐ろしいことだろうと思う。余裕なんてない。

思うようにならないYUIへの愛に疲れた男がいたとして、強い日差しに朦朧とした中で、この子と出会ったなら、「オレはこの子と一からやり直そう」と考えてしまったとしてもおかしくない。実際そうなった男もいただろうと思う。だとしたらビーイングにとってこのライブは大成功だ。

JOIN ALIVE に出張しているTOWER RECORD 札幌ピヴォット店でさっそく新山のCDを買い求めた。「Don't cry」と「ゆれるユレル」（2013 Being,INC.）だ。この子の音楽活動を支援していかないといけないと強く感じた。

家に帰ってCDを聴いてみた。「ゆれるユレル」「現在地」とかすばらしいじゃないか！「Don't cry」 は多少は音楽市場を意識した楽曲かもしれない。「ありったけの愛」はCDだとちょっと背伸びした無理したところがあるように感じてしまうかもしれないが、ライブでは本当にかっこよかった。ぜひライブを見てから判断してもらいたい。ギターをやや前かがみになって、腰を引いて構えて唄う独特のスタイル。テレキャスターも使う。

この日のライブは映像が残されていないのかなあ？もう一度見たい。バンドのギタリストがどこかで見たことあったように感じていた。あ、チリヌルヲワカの若いギタリストだ！

なんだと？！「だからさ」が入っていないことにCDを取り込んでるときに気がついた。悔しい。早く音源がほしい。RIJFに出演するのでそっちで映像化も期待したい。

というわけで、新山詩織17歳はヤバい。次の世代のYUIになる可能性は高い。これからYOUTUBEの映像をすべて見ていこうと思う。