酒見賢一「墨攻」(1991)を新潮文庫(平成6年)で読む。1992年中島敦記念賞。
戦国時代の中国、趙の軍勢2万のが攻め込む弱小城邑国・梁に墨子教団から派遣されたひとりの男・革離が、墨子の教えに基づいた軍略理論で城を護る。
キングダムの時代と世界観なので、日本の戦国時代以上に非情で残虐な人命軽視世界。
これ、塩野七生「コンスタンティノープルの陥落」のような歴史小説だと思って読み始めた。
だが、不明な点の多い墨子教団を自由に想像して描いた作家の創造した城攻戦。タイトルも「墨守」を逆手に取った造語。
多大な犠牲を払いながら敵将・巷淹中の攻撃を防禦。しかし、城を護る革離には内側に敵がいた。ビターな結末。
この本を読んだことでやっと酒見賢一(1963-2023)を追悼。
0 件のコメント:
コメントを投稿