吉屋信子「花物語」第一巻を読む。大正九年に東京市麹町區隼町洛陽堂より出版されたもの。当時の価格は「定價金壹圓五拾錢」。
こいつもBOで110円で見つけて連れ帰った昭和49年ほるぷ復刻本。「第一巻」とあるが、第二巻以降があるのかどうか不明。
吉屋信子(1896-1973)を読むのはこの本が初めて。20本の短編を収録。すべての作品名が花の名前。すべての主人公が十代の少女。
読み始めた最初の頃は、幻想ファンタジーなのかな?と想ったのだが、どれも「もののあわれ」とペーソスあるれる詩情。どれもが日常の一場面。ストーリーよりも場面と登場人物の設定。ほぼ清少納言。
読み終わったすぐから内容を忘れていくのだが、文体が素朴で味わい深い。大正女学生の話言葉と書き言葉はこういうものであったのかと想いを馳せる。
登場する音楽教師はなぜか伊太利人であるケースが多い。

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