阿刀田高「獅子王アレクサンドロス」(1997)という講談社文庫(2000年初刷)を見つけた。昨年10月に買った本をようやく開いた。BOで110円購入。
こんな本の存在を実物を見るまで知らなかった。689ページに及ぶ分厚い本。自分はBOで分厚い文庫を優先に物色してる。わりと新品同様だった。
阿刀田高(1935 -)の本は中学高校時代に2冊ぐらい読んだことがあるがよく覚えていない。たぶんギリシャ神話をわかりやすくした物語だった気がする。それ以来で読む。申し訳ないがまだ存命中だったとは知らなかった。現在90歳のはず。
マケドニアのアレクサンドロス大王については世界史で重要人物なので中学でも高校でもわりとよく学ぶ。だが、それはすべて教科書の活字でしかない。こういう物語で読むことが知識を自分のものにする上で重要。
これが読んでいて実にちょうどいい。司馬遼太郎を読んでるかのよう。この本は高校生ぐらいの読者にもすらすらとわかりやすいのではないか。
若く逞しく勇敢なアレクサンドロスは父王が疎ましい。そして母がギリシャ人とは異なる宗教で変わってる。古代の王は王位継承の段階で血で血を洗う権力闘争。
カイロネイア会戦でテーバイ・アテネを討ち従え、ペルシアのダレイオス3世と決戦。イッソスでの戦い。ガウガメラでの戦い。圧倒的戦力差を無謀な勇気でものともせずペルシア王を敗走させる。
ダレイオスが死に、王を裏切り殺した者も斃され、あとは「世界の果てが見たい」と無謀な東征。戦闘と殺戮。多くの兵も失う。
裏切り。そして粛清。古参の側近将軍アンティパトロスも疑い暗殺処刑。友人クレイトスも手に掛ける暗愚ぶり。そもそもなんでそんなに故国を遠く離れて戦争を?特に目的があるように思えないのだが。
インドから引き返す砂漠横断が命からがら。みんな疲弊。そしてアレクサンドロスも統治がうまくいかずに悩む。親友ヘパスティオンの死。そしてアレクサンドロスの32歳での急死。
大王死後の広大なマケドニア領をめぐっての後継者争いが地獄。死後40年に渡って血で血を洗う権力抗争。王妃たちと側近将軍、そして王子たちはことごとく死んで王家の滅亡。
結局、エジプト・アレクサンドリアを統治したプトレマイオスがいちばん長く生きた。
読むのに1週間ほどかかった。
この本は多くの登場人物たちで読者が混乱することを見越して、巻末に人物一覧があいうえお順に掲載。
さらに、阿刀田高の作品目録も掲載。
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