2025年11月12日水曜日

大沢在昌「銀座探偵局」(1993)

大沢在昌「銀座探偵局」(1993)という本があるので読む。1993年にケイブンシャ文庫から刊行され1997年光文社文庫化。BOで110円で購入し積んどいたもの。2005年25刷(!)

タイトルに「16 BEAT DETECTIVE 痛快ハードボイルド」とあるのだが、ぜんぜんハードボイルドじゃない。
アメリカ帰りの高級外車乗り回すホテルチェーン御曹司武藤がきまぐれで始めた探偵事務所。小さな「シティマガジン」編集長が振り回されるという探偵譚5本を収録。

開始から文体が80年代のセンス。ユーモア会話を交えた「トミーとマツ」とか「シティーハンター」とか「あぶない刑事」とかのノリ。会話文体が赤川次郎のノリ。80年代の「ライト感覚」というやつ?

訳ありで警察には持ち込めない案件を抱えた依頼者から持ち込まれた事件を男ふたりが解決というドラマ。90年代初頭のテレビドラマ映像質感。

バブル時代の東京シティ。昭和ヤクザとか戦争を生き抜いた老人とかが出てくると、最近読んだばかりの細野不二彦「東京探偵団」を連想。あれも戦争中の国家の秘密を忘れてしまった老人の話が出てきた。

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