西村京太郎「殺しの双曲線」(1979)を2012年講談社文庫新装版で読む。この秋にBOで220円購入。この本は西村京太郎にしてはわりと話題に上る。なのでたぶん傑作なんだろうと期待して読む。
この本は冒頭で作者から双子トリックであることが明かされる。なんで?ミステリー小説において「十戒」というものがあって、双子であることをトリックとするのは禁止事項らしい。なので冒頭で「双子がトリックになってますよ」とゲロっておくことがフェアなんだそうだ。
東京で連続して発生している強盗事件。目撃者の証言によって犯人がすぐ検挙されるのだが、見分けがつかないほどそっくりな兄弟による犯行は、被疑者が特定できずに逮捕起訴できない。この双子兄弟が警察を小ばかにして翻弄。警察は切歯扼腕。
一方で東北の山奥の民宿に東京から招待状を持った男女が集まる。この状況はクリスティ「そして誰もいなくなった」的状況。雪深い辺鄙な場所へ雪上車で行くしかない。
やがて始まるクローズドサークル連続殺人。お約束のように電話線は切られ、雪上車は破壊。麓の街までスキーで行く計画でいたらスキーがすべて破壊。こうなるともうどうしようもない。昭和なのでケータイもない。
東京での強盗事件と、東北の雪山で交互に進行するふたつのエピソードに一体何の関係が?
これは相当に野心作。西村京太郎先生も若いころはこんな才気あふれる作品を書いていた!
だが犯人の動機が重すぎる逆恨み。異常すぎ。そんな理由で殺されるとかたまったもんじゃない。
刑事は犯人の良心に訴える様な最後の手段。やっぱり西村京太郎としてはかなり刺激的な一冊。
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