2025年4月23日水曜日

有沢佳映「アナザー修学旅行」(2010)

有沢佳映「アナザー修学旅行」(2010 講談社)という本をもらったので読む。主人公たちが中学三年生なので児童文学作品らしい。

初めて読む作者だが、今作で第50回講談社児童文学新人賞を受賞している。オビに「金原瑞人氏推薦!」とあるが解説文とかあるわけではない。(金原瑞人は法政大教授で翻訳家で金原ひとみ氏の父)

わけあって修学旅行に参加できなかった中学3年生6人が同じ教室に集まって代替授業(ほぼ自習)という3日間を描いてる。
中学生たちの会話で進行。中学生の口語体文が続く。女子たちは恋バナやドラマの話。こういうの、自分としては居心地悪くなる。もう中学時代とかまったく思い出せない。

直前に骨折してしまって行けない生徒、転校してきたばかりの生徒、ケンカで顔に怪我して謹慎中の生徒(中三なのにあだ名がインテリヤクザってなんなの)、出演したドラマがヒットして急に有名になってしまい混乱を避けるために参加見送りになった芸能人生徒、さらに保健室に精神的にすぐ嘔吐する生徒…。互いにあまり面識のないこの子たちが京都奈良への修学旅行に行けないのは、まあわかる。

しかし、児童養護施設ホームから公立中へ通う男女2名…という存在に驚いた。
自分は小中高でそんな児童生徒を見聞きしたことがまったくなく、ドラマや映画でも見たこともなく、そんな子がいるかもしれないなどとは、この本を開くまでまったく想像すらしたことがなかった。
実は知らないだけで、同じ学校にそういった生徒がいたのかもな…と、今になって思いめぐらす。

実写ドラマにしてもよい原作だと思った。

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