2025年4月21日月曜日

大沢在昌「未来系J」(2001)

大沢在昌「未来系J」(2001 角川文庫)を読む。これも無償でもらってきた一冊。
読み始めて驚いた。大沢在昌はハードボイルド作家だと認識していたのだが、これはジュブナイルSFラノベ?

平成13年5月から10月にわたってJ-フォン「スカイパビリオン」という携帯電話配信コンテンツとして連載されたもの。
そしてその結末を一般公募し応募原稿の中から最も優れたものを巻末に掲載して角川文庫化というあまり聴かない企画。

小説家志望コンビニバイト菊川、大学院の地球物理学研究室で助手をする茂木、独自の卜占流派の占い師赤道目子、中三女子やよい、そして運動だけが特技の透、丸池市に住むことだけが共通のバラバラな、28歳から15歳までの若者それぞれに、Jと名乗る何者からかの救助要請がそれぞれ違ったチャンネルで届く。

5人が一堂に集まって謎を解く。Jとは誰でどこにいるのか?丸池市の博物館から老教授の失踪事件へとたどり着く。この教授がJについて知っているのか?何やら背後に陰謀が?!そして潜入と冒険。

いや、大沢在昌の予想外な一面だった。そして、エンディングの最優秀作も秀逸。
だが、このエンディングがなかったとしても、味わいのある終わり方になっていた。いろいろ感心した。

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