有栖川有栖「江神二郎の洞察」(2012)を創元推理文庫で読む。アリスくんと江神先輩のシリーズでまだこれだけ読んでなかった。
昭和から平成へと時代が変わるあのころ、京都にあるという英都大学ミステリー研究部の江神、望月、織田、そして新入生アリスの4人が事件の謎を解く(答えのない議論をする)9本の連作短編集。
9本の中で最古のものは、鮎川哲也せんせいの目に留まって1986年光文社文庫「無人踏切」に収録されたデビュー短編「やけた線路の上の死体」。そして1994年から2010年の間に各誌に掲載されたものを加筆修正し、さらに単行本化するために書き下ろし「除夜を歩く」を加えた一冊。
「瑠璃荘事件」(2000)、「ハードロック・ラバーズ・オンリー」(1996)は京都の大学生による日常ミステリー。
この本で一番好きだったのが「四分間では短すぎる」。アリスくんが京都駅の公衆電話(昔は大きな駅には何台も公衆電話があり、使用する人は早く順番が来そうな列に並んでた)で、ふと耳にした話文を、江神らミステリー研の面々が好き勝手に解釈し推理するという話。松本清張「点と線」を批評してる箇所が面白かった。
「除夜を歩く」も大晦日を京都で過ごすミステリー好き大学生の会話。好き。
昭和の終りを京都で過ごした元学生たちのノスタルジアと憧れ。
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