2025年1月6日月曜日

久保史緒里「リバー、流れないでよ」(2023)

ヨーロッパ企画による劇場公開映画「リバー、流れないでよ」(2023)を見る。やっと見る。原案と脚本は上田誠。監督は山口淳太。

自分、ヨーロッパ企画による映画は「サマータイムマシンブルース」と「曲がれスプーン」しか見ていない。この映画はかつて見たそれら2本で見た面々が登場する。ああ、20年という年月が経ったんだなと感じるキャストたちの老け具合。
京都・貴船の温泉旅館スタッフたちが延々と2分間をループして抜け出せない!という日常SFとプチパニック騒動を描いたコメディ映画。

映画といってもまるで映画らしくなく、ほぼ舞台芝居。こういう映画は映画ファンは見て戸惑う。ほぼ舞台演劇の語法でストーリーは進む。
今回の映画、正直言って自分とは合わなかった。長年舞台で活躍してきた俳優たちのやりとりすらちょい寒く見える。スベって見える。共感性羞恥を感じさせる探り探りのふわふわしたギクシャクした芝居だ。

本上まなみさんは40代後半になっても可愛らしい人だが、この人の演技は今も素人っぽい。劇団俳優を相手にしたコメディがいちばん向いていないように感じる。
映画冒頭から乃木坂46の久保史緒里がなんとなく神社を散策してる。服装がちょっと不思議な感じ。目的がよくわからないのだが、それはこの映画を最後まで観ればその正体がわかる。飄々ととぼけた天然な存在。久保の演技には感心した。

自分はこの映画はないわと感じた。バカバカしいし、いい大人が見るべきものとは思われない。
舞台作品として上演されれば十分面白いんだろうと思う。だが、この脚本をわざわざ映画として撮る必要性は感じない。俳優たちがみな舞台上演と同じ演技をしている。

だが、日常に疲れた人はこういう難しいことを考えなくてよいSFファンタジーコメディ映画を見たがるのかもしれない。にしてはいまひとつで特別には面白くも感じない。

主題歌はくるり「Smile」。

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