2024年11月4日月曜日

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅷ」(2011)

松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿 Ⅷ」(2011 角川文庫)を読む。
友人宅の本棚から1巻からずっと順番に読んでいたのだが、7巻がない。探したけどない。たぶん最初から買ってないらしい。なので6巻を読んだ直後に7巻を飛ばして8巻を読む。

凜田莉子の故郷・波照間島の竹富町議員が非公開の新技術「海水淡水化技術」の独占契約のために、町の一般会計予算から12億円を振り込め詐欺でだまし取られようとしているのを、波照間の3人娘たちが台湾で必死の犯人追跡。
振込を阻止できなければ故郷が財政破綻する!?島の未来がなくなる!?

こんな詐欺話は実際にどこかの地方自治体で起きてそうではある。マンション建設と販売の大手企業と弁護士ですらも土地売買で地面師たちに騙されるのだから。ましてや田舎の頑固な年寄りたちは一度信じてしまうと説得も難しい。

いやもう読んでて感心しかしなかった。こんな話を読んだことがない。この作家はこんな短期間に次々と本を出して、それでいてバリエーション豊富でクオリティを保っていて。松岡圭祐は作家としてよほどの才能があるに違いない。

今回のネタはおよそ一般多数の日本人には馴染みのない台湾ネタ。凜田莉子の知識量に読者は「ははぁーっ」と黙ってひれ伏すしかない。いったいどこでネタを仕入れてくるんだか。

いや、面白かった。友人の本棚にあるぶんは読んでしまった。未読の7巻、9巻~12巻を今後探さないといけない。

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