2023年12月14日木曜日

飛鳥部勝則「レオナルドの沈黙」(2004)

飛鳥部勝則「レオナルドの沈黙」(2004 東京創元社)を読む。これで飛鳥部勝則3冊目。

降霊会の夜に集まった男女。霊媒師が予告殺人を宣言すると、遠隔地にある自室で男が首を吊って死んでいた…。密室状態の現場、踏み台にされたレオナルド・ダ・ヴィンチの豪華手稿本。あべこべな状態にされた部屋。それは「鏡文字」と何か関係が?

そして第二の殺人。第1の事件の夜に訪ねて来た作業員風の男が、雪の中に頭をつっこんだ逆さ状態で死んでいる…。

これ、読んでる最中は「TRICK」第1シリーズの「ミラクル三井」回と「パントマイム遠隔殺人女」回の雰囲気がぷんぷんする。あと、エラリーの「チャイナ・オレンジ」の要素。

そして、コンテンポラリーアート芸術家探偵・妹尾悠二と、事件の当事者で語り手の編集者・真壁による「ホームズとワトソン」コンビスタイルのミステリー小説だと思ってた。
だがそれは違ってた。

今まで読んだものから飛鳥部勝則は、絵画を読み解く豊富な知識を活かした作風なんだと思ってた。それは間違ってた。ほぼ島田荘司「斜め屋敷」のようなバカミスだった!w

ま、これはこれで楽しめる読者も多いかもしれない。作中で本事件と関係のない推理小説談義などが繰り広げられる。
まるでタイトルが関係ない!ダヴィンチ関係ない!w

たぶん今の読者は赤瀬川原平とか知らないと思う。この人は前衛芸術家だったらしいのだが、自分は古いカメラ大好きイラストレーターだと思ってた。

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