誉田哲也「疾風ガール」の2019年乃木坂文庫版(光文社文庫)の新品同様品がそこに110円で売られていたのですかさず確保。表紙が齋藤飛鳥だったので。今年の8月のこと。
この若者向け音楽青春小説は2005年に新潮社から刊行され、2009年に光文社文庫化。この2019年乃木坂文庫キャンペーン版で13刷というから多くの人に読まれた本らしい。
自分、数年前にもこれを読もうとしたのだが、若者会話を書き起こしたようなシナリオ台本みたいな小説は受け付けない。こういう青春小説は苦手。この本を2時間ほどで読み通したが、やはり苦手だった。
バンドマンを諦め先輩の芸能プロに就職した祐司は、ライブハウスでスターの原石のようなギター少女夏美を見つけて「契約しないか?」とアタック。
そんなやりとりを読んで楽しむ…というような小説。たぶん「NANA」みたいな、かっこいいバンド少女映画になりそうな小説。
中盤でバンド仲間の薫が自殺。本名も経歴も何もわからず遺体の引き取り手も見つからないまま東京都監察医務院に保管されている…。
そういえば、薫が以前にとある日本酒の一升瓶を眺めていた…。ただそれだけの理由で祐司と夏美は新潟へ。なんだか赤川次郎ミステリーっぽくなってきた。
だが結局、ストーリーとしては薄味な青春小説。たぶん中高生なら楽しめる。
自分としてはこれはなくてもいい本だった。たぶん齋藤飛鳥も読んでないと思う。しかし表紙の飛鳥のポートレートはとても良い。
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