2023年11月26日日曜日

赤川次郎「透明な檻」(1991)

赤川次郎「透明な檻」(1991)を1993年新潮文庫版で読む。これは1991年に桃園書房から刊行されたものが初出。
これも大量に無償でいただいた古い赤川次郎の文庫本のうちの一冊。それにしても表紙イラストが時代を感じるし、売ろうという気を感じさせない。どんな内容かも想像できない。

佐田は高校生の娘かなえがいるのだが、娘の高校の美術教師靖代(20代)と浮気している。遊んでいる。ふたりの関係は女子生徒のひとりに目撃もされた。
遊ばれた靖代は佐田を恨む。佐田みたいな男は許せないという、靖代の大学時代の友人ライター恭子は、かなえの親友貴子を暴行した犯人が佐田だという噂を流す。(恭子も佐田とワンナイトラブしてんのに。)

貴子の祖父湯田(会長)は投書1枚だけで佐田が犯人だと決めつけて佐田を破滅させようとする。
噂しかなく証拠もなにも佐田のことも知らずにそこまで暴走できる老人が企業をちゃんと経営できると思えない。

てか、平成の時代なんだから、相手の言うことは録音して証拠にしろ。警察も何ひとつ証拠がないのに3日間も拘留して取り調べるな。会社も社員が3日警察に取り調べを受けたというだけでクビにして、後で冤罪とわかったらどうなるんだ?
てか一方的に悪い噂流され讒言誣告されてるなら、こちらからも「真相」を怪文書で流すぐらいの気概をみせろ。

読んでいてひたすらイライラする。まるで表紙イラストと内容が合っていない大人の厭な世界。

浮気男が自身のしてきた行為の報いを受ける話。まるで松本清張の厭な転落ものを読んでる感覚。

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