主人公はアントニーとクレオパトラなわけだが思ってた以上に登場人物が多い。
シーザーとレピダスも登場。かと思ったら、このシーザーはオクタビアス・シーザー(後のアウグストゥス)。時代は第2回三頭政治。
アントニーはエジプトにやってきて既にクレオパトラにメロメロ。この二人のメロドラマが主体だと思ってたら、冒頭からふたりは軋轢。ファルビアの死でアントニーはエジプトを出立。
これ、事前にローマ史をあるていど知ってないと置いてかれる。最初はかなり読みづらかった。
だが、読み進めるうちに面白くなっていった。第4幕あたりからw
この戯曲をじっさいに上演するのは大変な労力だなと感じた。長い。これを演じることのできる役者がいるとすると、ただただ感服。
ローマの武将たちも日本の戦国武将たちの物語を読むようで、そこは多少なりとも面白い。
意外だったのだが、クレオパトラはバカとしか描かれていない。アントニーがローマでオクタビアスの姉と婚儀を結んだ件を知らせる使者を痛めつけるシーンは笑わせるためのシーン?
そしてアントニーもクレオパトラを罵る。崇高さと卑小さ。
アントニーとクレオパトラのたどった運命を英国人はこういった偉大な古典演劇によってよーく知ってる。今回じっくりこの悲劇を読むことができてよかった。
あと、この本を読んで初めて「寿ぐ」と書いて「ことほぐ」と読むことを知った。今日まで「ことほぐ」という日本語を知らないまま生きていた。
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