2021年10月11日月曜日

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」(1880)

ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」をついに読む。1978年原卓也訳の新潮文庫版(75刷)で読む。

小学生以来いつか読むだろうと思っていたけど、新潮文庫で上中下の全3巻でかなり分厚い。なかなか手を出せるものでもなかった。どこにも出かけられない今だからこそ読む。佐々木琴子も読んだそうなので読む。
Братья Карамазовы, Федор M. Достоевский 1880
どんな話かまったく予備知識がない。1879年に連載開始。日本で言うと明治12年。大正天皇が生まれた年。

今回、これを読んでみた感想をまず言わせてもらうと、面白さがほとんど感じられなかった。上中下と無間地獄だった。
どれだけ読んでも読んでも話が面白くなってくれない。無駄に長い。何か意味があって長々と身の上話をしているの?なんでそんなつまらないことまで語るの?

語りたいこととページ配分と、読者の興味をつなぎとめておく作家としての技量はないの?と心の中で毒づきならがページをめくった。ページをめくる推進力がなかった。

カラマーゾフ家の家長フョードル、その粗暴な長男ドミートリ―、冷徹キャラだと思ってたら錯乱してる弟イワン、修道僧の三男アレクセイ。そして私生児スメルジャコフ。
もういいかげんにして!というぐらいに話の筋の見えない重要と思えないことまでを長々とだらだらと書き綴る。呆れた。上巻、中巻がどんな内容だったか?もうほとんど覚えていない。

中巻ラストでフョードル殺害容疑でドミートリ―が逮捕。ここでようやく話が動き出して面白くなってくれそうな予感はした。
だが、下巻は裁判シーンかと思いきや、やっぱり何で?というようにどうでもいいことがやたらと細かい。ヒューマニズム?キリスト教?ロシアの現状?
裁判シーンも20世紀アメリカのサスペンス作家ならもっと面白く劇的にできた。

農奴解放以降の帝政ロシア期に日本人読者があまり馴染みがないからかもしれないが、この「カラマーゾフの兄弟」という小説を「つまらない…」と感じてる人は少なくない。自分だけじゃなくてよかったw

ページをめくり続けることが苦行だった。「罪と罰」よりも面白いと聞いていたのだが、それは間違いだった。「罪と罰」のほうがまだマシな面白さだった。
こういうの、戦前の一高や東大の左翼学生だけが読んでしたり顔していればいい。これを面白いと感じられる人はきっと箸が転んでも面白可笑しく感じるはず。

「カラマーゾフ」が面白ければ、「白痴」「悪霊」などの他の作品も読もうかと思ってた。だが、それはしばらくよしておいた方がよさそうだ。別のものを読もうか。

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