2021年9月14日火曜日

そうして私たちはプールに金魚を、(2016)

「そうして私たちはプールに金魚を、」(2016)は第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門グランプリ受賞作品。監督脚本は長久允。2017年に渋谷・ユーロスペースでレイトショー公開された。
27分という上映時間からいって商業作品じゃない。有名な俳優は出ていない。たぶんテレ東深夜ドラマ1回分ぐらいの予算じゃないか。

2012年に埼玉県狭山市の中学校で、女子生徒たちが夜間学校のプールに忍び込み、金魚400匹を放流した実際にあった事件をベースにしてる。以前から見たいと思っていた。

「きれいだろうなと思ったから」というその犯行理由に感動した。それ、丸善書店の本の上にレモンを置いた梶井基次郎と同じ。

海に行きたくても海はない。ゲーセンかカラオケに行くしかない。埼玉狭山の女子中学生4人が超ネガティブ独白映像。
「つまりこの町に生れた時点で死んでる」
「生まれながらにしてゾンビ」
「平和 is 退屈」
「ここにあるのは何処へも続いていない国道だけ」
「ああ、戦争でも起きないかな」
「ああ、親死なないかな」
15歳にしてなぜにそこまで絶望?先生(山中崇)、父(黒田大輔)の軽いキモさもリアル。

ずっとPOPで文学の香り。脚本に関してはかなり高得点。

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