土屋太鳳の主演作に「PとJK」(2017 松竹)という映画があるのは知っていた。べつに土屋太鳳を気に入って追いかけてるわけでもないので見ようと思わなかったのだが、最近になって玉城ティナが出演していることを知った。で、見てみた。
予備知識ゼロで見る。土屋太鳳演じるヒロインがなにやら街を急いで走ってる。最初から引いた画で撮ってる。なんだか映像に引き込まれる。これ、またしても廣木隆一監督のスウィーツ映画だったのか。どうりで会話シーンを常に遠くから撮影してる。
街並みが独特。路面電車が走ってる。山が近くにある。これはいったいどこだろう?札幌かな?と思って見ていたら、函館か!函館って意外と映画の舞台になってる。
北海道の都市の夜の空気感は独特。道が広いのにぜんぜん車が走ってない。環境が良い。
土屋太鳳が玉城ティナに誘われて女センパイとなにやらライブイベントのような場所へ行くのだが、これが普通の合コン。16歳女子高生だけど身分を偽り22歳という設定で参加。
生肉に飢えた野獣のような男たちが酒を飲ませようとふたりに迫る。だがそこにイケメン亀梨和也が登場し窮地を救う。
で、一緒に帰ろうということになる。土屋が合コンで積極的に声をかけるのは「8年越しの花嫁」みたいだな…と思った。
「今度二人で会えないかな?」イイ感じになって歩きながらなにげない会話。「ずっとこっち育ちなの?」「16年間ずっと!」「え?」
16歳であることがバレると男が急に冷たくそっけなくなる。ああ、ヤレないとわかったら冷たくなるパターンかと思ってたら、亀梨は警察官?嘘だろ。ああ、だからタイトルが「PとJK」なのか。
警察官は言葉の節々と表情から不審な点を的確に見抜く訓練を受けている。
ヒロインにからんできた街の不良チンピラらをささっと制圧してカッコいい所を見せるのだが、このシーンが体よく不良たちに犯罪を犯させて現行犯逮捕する日本の警察官のいやらしいテクニックそのもので見ていて不快感。
ヒロイン土屋は同じ高校のダブリ同級生高杉真宙(金髪)にスケボーで殴られ昏倒。救急搬送。これは完全に前科がついて退学になる案件では?なのに謹慎で済む。そんなバカな。
土屋の両親が村上淳とともさかりえ。「僕の責任です」と頭を下げる若者を見たら不審に思うはず。「え、キミは彼氏なの?」この両親が娘が大怪我して昏睡してるのに楽観的すぎて違和感。
でもって後は「女子高生と警察官だからダメなの?!」障害のある禁断の恋展開。そう。法律上はダメです。
だが次の瞬間、男の口から信じられない言葉が。「結婚しようか?」16歳女子高生との男女交際は違法だが、結婚なら違法じゃない。なにそのウルトラC!? JK「やっぱり頭打ったの?」
そしてご両親にご挨拶。シュールな展開になるとは予測できなかった。
「高校を卒業するまで妊娠とかナシね」ということで父親から許可を得る。
玉城ティナがゼロ年代の市川実日子のような存在感。「結婚ってほんとだったんだ。ドン引きだわ~」
ずんぐり土屋と並ぶと玉城がすごくスタイルが良い。ふたりの通う高校の校舎が古い木造でとても味わい深い。
恋人として付き合うのをすっとばしてプロポーズされたことを素直に喜べるヒロイン。「結婚♥結婚♥」とか言いながら部屋でブリッジしてる土屋が可笑しい。
ヒロインたちが坂を駆け下りたりするシーンがとても多い。やはり函館は独特な街。
平巡査亀梨の住んでいる一軒家が広い。実家に一人で住んでるのか。
廣木カントクの映画は退屈なものが少なくないのだが、これはわりとユーモアのセンスが合っていて面白かった。亀梨と土屋のやりとりが逆に面白かった。高校生たちが楽しそう。
世界観が平和でいいなと思って見てたら、不良高杉真宙の家庭が貧乏でシリアス不幸。姉(江口のりこ)のヒモ男が粗暴で金をせびりに来る。こいつはコ口したい。
亀梨も警察官だった父親を殺人犯に刺され殉職というつらい過去。後半はわりと暗い。長く感じた。結果、楽しさが相殺されたw
不良グループたちの女子高生拉致監禁は少年院行きの重罪。その後の亀梨の劇団型潜入捜査官的なやつは見てらんなかった。警察組織ってそんなに緩いの?警官が刺されるって事態は「踊る大捜査線」なら大事件。
BGMの選曲センスがユニーク。ラストはちょっと笑った。なんだこの映画。それに警官が公務中に何やってんだ。
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