「里見八犬伝」(1983)を見る。鎌田敏夫「新・里見八犬伝」を角川春樹事務所が深作欣二監督で映画化したもの。
これ、当時大々的に宣伝して大ヒットしたらしく、ある年代以上の人はだいたい知ってる映画らしい。
驚いたのが薬師丸ひろ子さんの声が今とぜんぜん違う。張りのある若々しい高い声。ちょっと独特な顔がなんとも可愛らしい。
なんと入浴シーンもある。薬師丸さんが好きだった男子たちは熱い視線で見てたんだろう。
真田広之さんはこの当時から剣術アクションと乗馬。自分、2020年は春からずっと「太平記」(1991)再放送を見ていた。太平記の8年前だがほとんど変わってない。当時の女子たちは恋しながら見てたんだろう。
あと、冒頭から敵のボスキャラ達の造形が良いなと感じてた。夏木マリ、目黒祐樹、萩原流行の主要敵キャラがとにかく邪悪そうw
特に夏木マリさんのビジュアルが良い。たぶん撮影当時30歳ぐらい。血の泉で血を浴びるシーンではヌードになってる。結果、おじさんたちも熱い視線。
志穂美悦子さんが桜の花びらが散る神楽舞台で新体操のリボンのようなものをくるくる回して歌い踊って、天井から蛇が落下し驚いている隙をついて「御命頂戴!」と刀を抜いてスパッと一振りすると首が転がるシーンとか最高!w京本政樹さんの眉毛の釣りあがり方がすごい。あの場面で岡田奈々が「兄さん!」って告白するシーンを見て、それは自殺行為だろ…ってちょっと呆れたw たぶん当時24歳ぐらいの岡田奈々さんがすごくキレイ。
そして、老婆が百足の化け物に変身したり、大蛇と戦ったりと、期待を裏切らない幻想怪奇のスペクタクル時代劇。戦国アクション。
この映画はたぶん子どもの頃から講談を聴いてきた老人も、アイドル目当ての若者も、京本政樹目当てのオバさまも、千葉真一、志穂美悦子のアクション目当ての人も、全世代を全方位取り込もうとねらったキャスト。
とくに期待してたわけでないのだが、136分まったく退屈せずに楽しく見れた。今はなかなか作れない映画だと感じた。
だが、80年代初頭のシンセ音によるBGMが今となっては安っぽ過ぎてちょっと嫌。ムードぶち壊し。
今ならちゃちゃっとCGになる箇所でも特撮でがんばってるのだが、見れたものじゃない箇所もある。
薬師丸が真田を愛してるとわかって、「え?!」って思いながらも察してその場を外す他同士たちのシーンがちょっと可笑しい。
それに、いきなり真田と薬師丸の愛の営みが始まるのだが、ムーディーな洋楽サウンドをBGMに、肩から上のカットだけで長々と見せられるのも、今ではちょっと考えられない。
子どもが見ても楽しい映画だと思うけど、このシーンは家族で見るには気まずい。
だがそれでもストーリーが楽しかったし、今も見る俳優たちの若いころが見れて楽しかった。スターたちの共演による正しい大アクション娯楽冒険活劇だった。
敵の本拠が「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」の邪教の神殿みたいだった。
あと、2008年の長澤まさみ主演「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(2008)はこの「里見八犬伝」のような映画を作りたくて作られたのかな?って思った。ラストシーンが似てる。てか、この映画自体が黒澤映画からの美味しいとこ取り。
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