アガサ・クリスティー作の戯曲「ねずみとり」を読む。鳴海四郎訳2004年早川書房クリスティー文庫版で読む。私的クリスティマラソン77冊目。戯曲は4冊目。
THE MOUSETRAP by Agatha Christie 1954
これはクリスティー女史の書いた戯曲としては半世紀以上のロングラン、2万回以上の上演回数を記録する最大のヒットとなった超有名作。古典中の古典。ミステリー劇のマスターピース。
「愛の探偵たち」に収録されている中編「三匹の盲目のねずみ」(1948)を戯曲化したもの。
戯曲「ねずみとり」は少しだけ違いがあるが、小説版とほぼ設定も展開も同じ。一番大きな違いは宿泊客にひとり記憶にない人物がいる。「愛の探偵たち」をパラパラとめくって確認してみた。やはり戯曲版にはミス・ケースウェルという女性客がひとり増えていた。
雪の山荘。オープンしたてのゲストハウスへやってくる客たち。さらに刑事もやってくる。口うるさいボイル夫人が絞殺され捜査が始まる。戦時中の児童虐待事件に関わった人物が殺され、その当時の少年が犯人か?だとするとあと一人殺される可能性がある!そして予想外の展開!
だが、現代のあらゆるパターンに接してきた読者にはそれほど驚くこともないかもしれない。だが、それでもこのお芝居は魅力的。演出家としても挑戦しがいがありそう。
ぜひテレビドラマにでもしてほしい。モーリー(ロールストン夫人)をぜひガッキーとかまさみとかばっさーとか有村架純とか人気女優でお願いしたい。
この戯曲もとくにトリックがあったり証拠を探したりすることもない。ただ、上質でおしゃれで趣味がよいお芝居。
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