2021年3月13日土曜日

剱岳 線の記(2020)

「剱岳 線の記 平安時代の初登頂ミステリーに挑む」(髙橋大輔 2020 朝日新聞社)を読む。昨年8月に発売された。自分が読んでるものは12月の第4刷。

新田次郎「剱岳・点の記」のラスト、陸軍参謀本部陸地測量部柴崎芳太郎ら測量隊は苦難の末にようやく剱岳山頂に到達する。だが、前人未到であるはずの山頂には平安時代のものらしき錫杖頭と鉄剣があった…ということが書かれている。

新田次郎が果たせなかった「ファーストクライマーは誰か?」という最後に残されたミステリーを、かつてロビンソン・クルーソーの住居跡を世界で最初に発見したという探検家の著者が追いかける。
資料を漁り、山頂まで出かけ、古地図や伝承を求め、古老に話を聴き、仮説を建てて検証し歩いて登って確かめる。

いや、驚いた。この本は誰も解き明かせなかった謎に到達してしまっている!5W1Hすべてで謎を解き明かす。いつ?誰が?どのように?どのルートで?どこに?何の目的で?

平安時代の装備でそこを登れたか?45度急斜面でもヤブコギならいけるんじゃね?

立山信仰の修験者たちがかつて通った古道と登攀ルートと遺跡を検証した壮大な山岳ロマンでノンフィクション。読んでいてわくわくできたし面白かった。新田次郎の「点の記」を事前に読んでいるほうがさらに楽しめると思う。

経験と知識と論理による平安、明治、現代の時空を超える探検。著者はインディ・ジョーンズのよう。

読後にグーグルで剱岳へのルートを見てみた。多くの人が写真をUPしてくれている。
立山の雄山とか、写真で見ると登山シーズンの人の多さにびっくり。

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