「一度死んでみた」(2020 フジテレビ、松竹)を見る。監督は浜崎慎治。脚本は澤本嘉光。テレビでよく見る面々を集めて豪華にした絵面。出演者全員の顔を載せましたというビジュアルはたいていダサい。
これ、予告編を見たときから自分と合ってなさそうだと思った。寒くてスベリ倒してるんじゃないかと。広瀬すずが出てるので仕方なく見る。
日本映画では「デトロイトメタルシティ」とか「少年メリケンサック」とか「音量を上げろ!」とか、メタルやパンクをテーマにしたコメディ映画がたまに定期的に出てくる。
けど、今の日本でこのたぐいのバンドってすっごくアンダーグラウンド。普通の人は誰も目にしない。大手レコード会社では扱わないジャンルの音楽。
デスメタルってオタク的な応援の仕方をするファンっていないんじゃないか?たぶんファンも刹那的に生きている。魂ズの音楽性ではデスメタルファンはついてこないと思う。おそらくデスメタルをBABYMETALみたいなのと勘違いしてる。
自分、人生で一度だけデスメタルが何組か出演するライブハウスでのイベントに行ったことがある。バイト仲間がデスメタルをやってる大学生だったから。
そいつも頭が茶色で長髪でヤバいやつだったけど、30人ほどの客もヤバいやつらだったw 人生で初めて坊主頭で顔がピアスだらけの女とか見たw ひたすらデス声とノイズだった。ライブ会場で会話なんてぜったいできない。
なのにそいつと客でいつのまにかできてて、別れてて、後日に「性病検査受けるわ」とか言ってた。
広瀬すずがデスメタルバンドボーカルってありえない。そんな声質してない。父親が製薬会社社長で本人も薬学部生で就活生ってのもありえない。
広瀬としたら女優としての幅を広げたかったのかもしれない。でも、やっぱりアイドル映画。この映画はすずのキャリアになくていい映画。
堤真一が軽すぎフザケすぎ。ほぼ「スーパーサラリーマン左江内氏」の堤。こいつが娘に化学英才教育。薬剤師の子弟はこんな育て方をするのかもしれない。
予告編でヒロインの面接シーンを見て、自分はきっと面接官を血祭にして本社ビルを破壊してくれるんだと思ってた。期待はみごとに裏切られた。なにも面白くない。吉沢亮と大友康平の会話もデスメタル聴きに来た客どうしらしくない。なにもリアリティがない。
豪華な俳優たちがチョイ役出演しふざけてるけど、どのシーンもスベリたおしてて面白くない。まるでauのCMみたいなノリを延々見せられる。
若返りの薬とか、仮死状態になれる薬とか、世界観が藤子不二雄。まるで昭和のギャグマンガ。会話にセンスがないし空虚。子供向けコンテンツっぽい。脚本も演出も何ひとつ感心することがない。名優たちの無駄遣い。吉沢亮が存在感のないキャラという設定だそうだが、結果、目立ちもしなくてもったいない。吉沢もリリーさんにしてもどう演じていいのかプランもなかったように見えた。1回たりともぴくりとも笑えなかった。
この映画を見て、福田雄一ってまだマシというか偉大だったんだなって思った。
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