2020年12月7日月曜日

上川隆也「獄門島」(2003)

上川隆也が金田一耕助を演じた「 獄門島」(2003年 テレビ東京・BSジャパン)を見た。
自分、上川隆也が金田一を演じたことを最近まで知らなかった。11月にBSテレ東で再放送されたので予約して見た。
鬼頭本家の3人の娘の初登場シーンからちょっとテンション下がったw 双子の三倉佳奈・茉奈姉妹で三つ子の月代、雪枝、花子を演じてる。ぜんぜんイメージと違う。自分が「獄門島」を映像化するなら、島の狂気を体現するような娘たちをもっと真剣に選ぶし、それにふさわしい雰囲気で登場させることに全力を注ぐ。

どうしても市川崑版を至高と考えてしまうのだが、テレビドラマ版は何かしながら見てもストーリーが分かるように、初めて見るものに優しくつくらないといけない。映画とドラマを一概に比較してもいけないなと思った。
花子の死体がなぜか目のところだけが赤く光るような演出になっていた。
本家を乗っ取ろうと画策する分鬼頭の志保(映画では巴)を演じていたのが原田貴和子。自分はこの人をまったく知らなかったのだが、原田知世さんの実のお姉さんだそうだ。ひょっとしてもう女優として活動していない?
鵜飼がまさに今ドキの若者感がして違和感。
本鬼頭の早苗は高島礼子。了然和尚は神山繁。ほぼイメージぴったり。荒木村長(鶴田忍)、幸庵医師(寺田農)はあんまりイメージと合わない。
中村梅雀が等々力警部(磯川警部じゃなく?)この人をみるとたちまち安っぽい2時間ミステリードラマ感が強い。BGMも映画と比べると安っぽくてしかたない。

自分は高校生の頃「獄門島」を読んだのだがもうよく覚えていない。あの市川崑版は原作をまったく改変したもの。2016年長谷川博己版を見たときも多少混乱したのだが、この「金田一耕助ファイルII 獄門島」は鬼頭嘉右衛門と与三松の死にも秘密がある?!さらに混乱。

金田明夫巡査が昔の警察官のイメージに近いのかもしれないが人として酷い。いきなり金田一さんを突き飛ばしたり、だまし討ちのように獄に入れたり。自分なら殺意がわくw

2時間ミステリーを見慣れた視聴者に向けたドラマなので、犯行時刻とアリバイ、釣鐘の謎に関してはしっかりやっていた。
だが、劇的に謎が判明しない。申し訳ないがこのクオリティでは「獄門島」はつまらない。エンディングも「なんだこのムーディー歌謡は?」と思ったら中森明菜だった。上川隆也版金田一には「仮面舞踏会」もあるのだが見ることはないかもしれない。

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