中条あやみの主演作に「雪の華」(ワーナー 2019)という映画があるので見る。これはなんと中島美嘉「雪の華」を原案ベースとして1本の映画に仕立てたものらしい。エグザイル系登坂との共演。
監督は「羊と鋼の森」でもメガホンをとった橋本光二郎。脚本は岡田惠和。
なんといきなりフィンランドが舞台。雪原の中、多くの観光客といっしょに寒さに震えながらオーロラを待つメガネ美少女。「今日はオーロラは出ないっぽい」とみんな諦め帰りだす。すると少女のこれまでの病弱で不運だった身の上話ナレーションが始まる。
病弱だったが幸せな家庭の回想。いつか父と母が出会ったフィンランドへ行って珍しい「赤いオーロラ」を見よう!
おそらく難病ヒロインもの。病院で医者先生(田辺誠一)から、意外に簡単な感じで余命1年宣告。こういうとき保護者家族へ告知しないで本人に?「なんで私だけこんな人生なの?」絶望。
そんなときひったくりに遭難。鞄を奪い返してくれた男が登坂。自転車で逃げる犯人を走って追いつくw 犯人を半殺しにもせずそのまま逃がす。すみませんで済む話か?
このふたりの出会いが美男による美女のナンパに見える。白い粉雪が降ってくる。ヴァイオリンで「雪の華」が流れる。音楽は葉加瀬太郎。
自分が登坂を見るのは「ホットロード」以来。なんか以前とぜんぜんイメージが違う。
薬飲んで窓から見える遊覧船が楽しそうなカップルばかりなのを見て悲しそうな顔をする。
しかし、孤独であっても美少女に生れただけでもこの娘はマシ。恋に出会える可能性は高い。街で偶然見かけた登坂を尾行しても挙動不審でもかわいいし。で、登坂はカフェ店員であることが判明。
登坂のJK妹が箭内夢菜。「ゆるキャン」に出てた関西弁美少女だ。調べてみたら福島県郡山出身のSTモデル。ということはnon-noモデル武田玲奈と同郷。そういえばCMクリエイターで猪苗代湖ズの箭内道彦も福島。箭内って福島に多い姓?
カフェの店長が浜野謙太だが、資金繰りに困ってて店を閉めないといけない瀬戸際。たしかに中条以外に客が来てないのだから致し方ない。どこもかしこも世知辛い。
話を立ち聞きした中条。鞄の中の通帳をとりだして見つめる。登坂と初めて出会ったときの「声を出していけ」という言葉と、医者からの「この1年悔いのないように生きて」という言葉を思い出す。
自転車操業カフェに必要な100万円を出そうとして登坂からさらに変人として見られるw こういうときは「100万出す見返りに恋人になって!」ではなく、余裕をこいて「出資してやろっか?」が正解では?
中条は「恋人としたいこと」を考えてウキウキだが、登坂は暗い顔。だって女に金で買われたようなもの。デートに向かう足取りも重い。
いつのまにか中条は命令する立場。長年こじらせた妄想シチュを指示。ここはコメディとして面白い。
お互いに「すぐ別れるし」と思っていたものの、登坂は中条が田辺医師と楽しそうに話してる姿を目撃してわかりやすく嫉妬w
登坂は家に中条を連れてきて妹と弟に紹介。妹箭内がちょっと怖い。自分も美少女JK妹に制服腕組み姿で怒られてみたかった。
新旧STモデル対決。「ひょっとして…お兄ちゃんが彼女連れてきて嫉妬してるとか?w」少女マンガでしか見たことのないシチュに感動する中条。おまえなかなかだな。
中盤になるとなぜか夏のフィンランド観光ムービーへ。1年後に死ぬと分かっている女は貯蓄しておく必要がない。男と二人フィンランド旅行ってよほどの金持ち女しかできないはず。北欧はホテル代や外食が高い。
楽しい旅行が終われば契約終了でふたりの関係は終わる…。
だが、鈍感な男も何かを感じ始める。なにか秘密がある。
病人の役をやるって、演じる女優側もプレッシャーを感じるに違いない。中条は痩せている。
余命少ない女を好きになった男はだいたい同じような末路をたどる。激走して橋の上で叫ぶ。実際に体験してない人間にはイメージしがたいつらさ。
リアリティはないかもしれないけど難病恋愛ストーリー映画はたいていこんなもの。美しい映像と美しい男女の正しい125分。希望のつながるラスト。カップルで見れば盛り上がれる映画ではないか。
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