2020年4月23日木曜日

アガサ・クリスティー「ブラック・コーヒー」(1997小説版)

クリスティマラソン66冊目、アガサ・クリスティー「ブラック・コーヒー」を読む。
これは1930年に初演された戯曲。クリスティ研究家の作家チャールズ・オズボーンが小説化したものが2004年中村妙子訳早川書房クリスティー文庫にあるので読んでみた。
BLACK COFFEE by Agatha Christie
Adapted as a novel by Charles Osborne 1997
アパートで朝食をとっているポアロ。執事のジョージから仕事の依頼の電話があったと知らされる。ヘイスティングズといっしょにサリー州マーケット・クレイヴのエイモリー氏の屋敷へ。

高名な科学者サー・クロード・エイモリー氏の書斎金庫から、新型爆薬の化学式が盗まれた。夕食の席で「部屋に外側から鍵をかけた」「部屋を暗転させている間に盗んだものは返しなさい」とエイモリー氏。
だが、暗転している間にエイモリー氏は死んでいた。食後の苦いブラック・コーヒーに毒が盛られていた?その直後にポアロが到着。一足遅かった。

長男リチャードの妻ルシアの様子がおかしい。イタリアからドクター・カレリがふいに訪ねてきてから何かおかしい。夕食も中座。そして不審な行動。

ポアロが聴き込み開始。ヘイスティングズくんはいつものようにポアロの役に立とうとはするのだが、犯行の部屋を見張ってるつもりが被害者の姪バーバラ(21)のキューティーちょっかいに陥落w ポアロから強めのツッコミw

グダグダ捜査の末、ポアロは犯人の目星をつけた様子。だが、いつものように物的証拠がなにもないので犯人を罠にかける。
しかし、逆にポアロが大ピンチ!かと思いきや、スレた読者は「どうせ逆ドッキリなんだろう」とお見通し。

読んでいていつものクリスティ。戯曲を第三者が小説化したものとは感じないし気づけなかった。
だが、ミステリとしての出来は全クリスティ中で下位の部類だったかもしれない。これを舞台で見たとしても、よほどのスター役者でないと、それほど面白いものにならないかもしれない。

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