2019年11月5日火曜日

有栖川有栖「海のある奈良に死す」(1995)

有栖川有栖「海のある奈良に死す」(1995)という本を読む。平成10年角川文庫版で。
「孤島パズル」という本が面白かったので、期待して選んだ有栖川2冊目。

有栖川有栖くんは書き上げた長編作が見本になったというので、神保町の出版社を訪れ、同僚作家の赤星とたまたま出会う。若狭の人魚伝説の取材で「海のある奈良」へ行ってくるという。

やがて赤星は小浜市の海岸の岩場で死体となって発見される。一体何が?!

この本での探偵役は火村英生という30代半ばの犯罪学者で大学教授。有栖川くんと一緒に方々へ話を聴きに行く。Vシネ映像制作会社の美貌の女社長、編集者、従弟、それぞれのアリバイを聴く。

これが読んでも読んでも面白くなってくれない。旅情ペダンチック2時間ミステリーっぽいけど、主人公ふたりはべつに捜査のために旅行にでかけるわけでもない。

サラリーマンから作家に転じて最初の連載小説。冗長に感じるムダ話が多い。これは凡庸な一作っぽい…。
ホラー映画のビデオテープの件あたりから「そんなバカな?」と感じ、残りをさっさと読み飛ばした。ぜんぜん感心することもない作品だった。

2 件のコメント:

  1. 有栖川有栖のメインは火村英生のシリ-ズのようです。評判作が多いしクイーンを意識したのか「ロシア紅茶」から始まる国名シリーズ(短篇集)が10冊あります。
    何冊か買って読んで面白いのもあったけど、本が溜まってしまうとなぜか真っ先に整理の対象になるのが火村シリーズなんで、手元には残っていないですWWW

    ブロガーさんは「孤島パズル」が好きらしいから、江神二郎が探偵する学生アリスシリーズを選んでいけばいいんじゃないですか。数はあんまりないけど。
    わたしはデビュー作「月光ゲーム」が好きだし、ブレイクしたのは「孤島パズル」の次の「双頭の悪魔」。「女王国の城」はこの作家のもっとも評価された作品です(これ、わたしは未読ですけどね)

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    1. 実は「双頭の悪魔」読み終わったところです!面白かったのでそのうち感想を書きます。
      「月光ゲーム」は80年代なので古いのかな?と後回し。「女王国の城」は分厚いなと棚に戻してしまった。
      けど、やっぱり今年中に読もうかと。

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