天安門事件は日々発展をとげる中国においては今も完全にタブー。日本には多くの中国人留学生がいるのだが、彼らの多くは天安門事件をほとんど知らない。教育の現場で教えてないし、事件について書かれた本もない。
自分、高校世界史で「血の日曜日事件」「サンバルテルミの虐殺」とか、名前にワクワクするタイプw 今、天安門事件もそんな感じ。
今年は事件からまる30年。NHKがまたしてもがんばった。すばらしい番組だ。こんなふうに機密文書や当時の映像をわかりやすく編集した番組が、今までよく知らなかった事件を理解するうえで一番ためになる。
番組スタッフは天安門で北京の人々にマイクを向ける。「はあ?知らない」と芝居がかって不快げに答える女や中年男性がとても醜怪。無知は醜いというメッセージか?人選に悪意があるw
今後NHKは中国で取材を妨害されたりしないのか?大丈夫か?そうであってもこれぐらいの覚悟があってのニュースメディア。
事件は国民的に人気のあった胡耀邦総書記の遺影に始まる。多くの学生が献花に訪れた。ここまでは共産党幹部の想定内。
だが、日に日に民主化を求める学生デモへと発展。天安門広場は100万群衆で埋め尽くされる。
後継者とみられた改革派趙紫陽が保守派李鵬と改革路線をめぐって対立。最高指導者鄧小平が李鵬を支持したため趙紫陽は失脚。
そのへんのやり取りを李鵬は書き記していた。党幹部の会議で「学生たちの民主化要求デモは反革命反動」という人民日報社説が支持された段階で趙は失脚。と同時に中国の民主化は潰えた。政権内部の権力闘争はときに多くの犠牲を生む。
1989年5月20日戒厳令発令。そして運命の6月4日、人民解放軍は武器を持たない平和裏にデモを続ける群衆へ発砲開始。
在北京英国大使館と英国外務省は人民解放軍が北京に迫る様子を日々把握していた。死者は1万人と機密資料に記載。
党と国を保つためには市民の命は二の次という恐ろしい政権トップ、それが鄧小平。
社会主義中国の資本主義経済発展はこいつの政策。「富める者から経済力をつけて順次発展させてくしかないよね?」「そのために共産党が強い指導力を発揮していくしかないよね?w」
今現在の中国中間層は経済発展というエサをもらえてるから何も言わないという暗黙の了解がある。だが、経済発展が隅々まで行き渡る前に格差があるままに止まったとしたら?おそらく流血のハードランディングが待っている。
アメリカのブッシュ(父)大統領の鄧小平にあてた手紙が酷いw
「共同宣言で中国を厳しく非難する文言はアメリカと日本で消したったわw」「議会はうるさく言うけどわたくしめは大ごとにならないようがんばらせていただきま〜す♥」まるで中国の走狗。
たとえ人権蹂躙国家であっても市場と金を持った国はお客様。
人権にうるさい欧州各国は中国をヤバいやつだと認識したけど、日本も早々に天皇訪中などで国際社会復帰に後方支援。すべてお金のため。
欧米では中国に中間層が経済発展すれば市民が共産党独裁にモノを言うようになって民主化するだろうと呑気に思ってたらしい。
欧州の上流階級の人々は後に北京オリンピックでも同じ過ちを犯す。結局いまだに中国が民主化する気配がない。ウイグルやチベットでの人権蹂躙は今も続いてる。そして今、香港市民の危機感。
「天安門事件なんてなかった」と中国政府が言ってるうちは「南京事件で30万人殺された」なんて主張に国際社会は耳を傾けないだろうと思う。
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