2019年6月16日日曜日

エラリー・クイーン「レーン最後の事件」(1934)

エラリー・クイーン「レーン最後の事件」を読む。鮎川信夫訳1959年創元推理文庫版で読む。
DRURY LANE'S LAST CASE by Ellery Queen 1934
これがX、Y、Z、と続いたドルリー・レーン探偵シリーズの最後。12歳で初めて「Xの悲劇」を読んでから始まった老俳優探偵ドルリー・レーンのシリーズもこれでようやく終えることができる。

サム元警部とペーシェンス嬢の探偵社に現れた七色の髭を持つ珍妙な男、詮索せずにこの封筒をあずかってくれという依頼。困惑しながらも1000ドルと一緒に封筒をその場で受け取る。
そして今度はバスの運転手から、失踪して行方不明の友人(博物館の警備員)を捜す依頼を受ける。

こいつが戦前のアメリカ警察そのもの。すでに警察を辞めているのに警部を名乗って取り調べ。乱暴で強引。
サム警部は老探偵ドルリー・レーンを頼る。シェイクスピアに関連する博物館だから頼んでいいよね?

博物館を調べてみるとシェイクスピア初版本が偽物とすり替えられいた!だが、すり替えられていた版は存在の知られていないさらにレアな一冊だった!

しばらくすると盗まれた初版が送り返されて来た。本の修理費用と一緒に。表紙が一部切り割いて中から何か紙片のようなものを取り出したのでは?
捜査の過程でエールズ博士なる謎の人物も浮上。さらに、新館長の身元も怪しい。

これ、なんの話題にもならない本なのでつまらないだろうと思っていた。だが、途中までは面白いかも…と思った。

ドルリー・レーンが何もしてない。すっかり老け込んでしまった。その一方でペーシェンスの活躍。

やっぱり途中からまたつまらなかった。何がどうなってるのかさっぱりわからない。すごくイライラする。
家に何人いた?とか、双子のどっちがどっち?だとか、読者を置き去り。
ページの残りが少なくなってくると、次から次へと、実はこうでしたという事実が出てくる。真犯人を当てるなんて無理!w

真相には驚かされた。こういうパターンか!?確かに衝撃の結末。
ペーシェンスの傷心から、自分はてっきり被害者を殺したのはアイツか?と思っていた。
ドルリー・レーン老人の耳が聴こえないという第1作からの設定はこのラストを見越してのものだった?!

だがそれ以外はやっぱりダメなほうのEQだった。正直それほどの完成度高く感じないし面白くもない。俺は「レーン4部作を読んだ」と言いたいがために読み通した感じ。

「Xの悲劇」に始まった長い旅を自分も終えた。すべてネタバレなく何も知らない状態で読めたことも良かった。

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