公開目前だった「三度目の殺人」から是枝裕和、福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、満島真之介によるインタビューをふくむ大特集。
「三度目」が見ていて「?」というわかりにくい映画だったので、こういうものを読むと理解が深まる。
で、「散歩する侵略者」のときの長澤まさみが4ページある。この見開きカットとインタビュー2ページ。黒澤監督のインタビューは別途2ページある。
この号はまだSWITCHさんにバックナンバーがあり今も購入できそうなので多くは引用しないが、ほんの一部、まさみ理解のうえで重要だと思われる箇所のみを引用
「散歩する侵略者」はまさみがずっとカリカリ怒っているという、まさみオタにとっては新鮮な映画だった。
「最初に脚本を読んだ時から、鳴海は終始怒っている人だなあという印象がありました。ただ、その怒りが一体何に向けられているのか自分の中では漠然としていて。目の前の夫に怒っているだけだと薄っぺらい人間に見えたので監督に質問したんです。そうしたら『身近なことではなく、世の中に対しての怒りが根底にあって、もっと大きなものに向けて怒りを発しているんです』と言われてすごく腑に落ちました。物語の大半が怒っていて、お芝居だとしてもエネルギーを使うので、撮影中はとにかく疲れましたね(笑)。」自分はてっきりこの不機嫌さはなんとなくフロイト的な事象かと想像していたのだが、監督にはそのへんの深層心理的なものはまったくなかったようだ。もう最近の映画界の巨匠たちはそういうのほとんどない。
「夫婦のあり方については考えさせられました。結論を言うと男女に平等はないということをあらためて感じたというか。パートナーとして上手くやっていくためにはそれぞれの役割がある――はじめは鳴海が真治を立てていたと思うんです。それが裏切られて怒りながらも愛情を注いだ結果、今度は真治が鳴海を支える側に回る。どちらかが支えてどちらかが支えられるのがペアなんだなと」まさみは知的な女優だなとあらためて思った。
あと、喋りながら手数の多いシーンで黒沢監督から「動いている長澤さんはすごく生き生きしてますね」と言われたそうだ。
黒澤清監督による長澤評を引用すると
「とにかくきれいな方だなという印象でした。お会いしてもやっぱり美人すぎるぐらいだし、体型もモデルのようで、逆にそれが彼女の演技力から目をくらませてしまうんじゃないかというところがある気がしました。実際にカメラの前で演じているのを見ると、驚くほど上手い方なんですよ。」もうまさみは日本を代表する美人女優でいろいろつらい。「ロボコン」も「キャバレー」「メタルマクベス」も、まさみは動の女優。
最後に、まさみはすべての仕事を転機だと思ってやっているので、「転機となった仕事は?」という質問を嫌う…と記憶していたのだが、ここでは「モテキと真田丸」と答えている。
「モテキの前はもう女優を辞めたいなと思っていたんです。自分に限界を感じてしまったり、この仕事にも業界自体にも向いていない気がしていて。」まさみは2009年から2010年にかけて、激ヤセしてたし表情も体調もラジオのトークもなにかおかしい感じはしていた。まさみはドラマも映画もずっと主演だったし、世間からの風当たりも強かった。だが、つらい思いをしていたことはまったく表に出さなかった。
そんなまさみを救ったのが「モテキ」の大根監督と、「真田丸」の三谷幸喜だった。
愛情をもってまさみの魅力を引き出した最大の功労者ふたり。まさみオタの多くがまさみ同様に感謝。
何かを感じたときはすでに深刻化していることも多い。なので、ちょっとでも違和感を感じたときファンは全力で応援しないといけない。
森山未來によれば「長澤まさみは逃げなかった」という。そんなつらい時期をみごとに乗り越えた。そんな時代を経て、今のまさみは出演作がすべて話題作という国民的人気女優。まさみは最強女優かもしれない。
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