2018年9月29日土曜日

アガサ・クリスティー「五匹の子豚」(1942)

アガサ・クリスティー「五匹の子豚」を手に入れた。桑原千恵子訳の昭和52年ハヤカワ・ミステリ文庫版の昭和56年第14刷。
こいつも100円でゲット。前の所有者が読了した日付が書き込まれていた。
FIVE LITTLE PIGS by Agatha Christie 1942
ポアロの事務所を21歳のカーサ嬢が訪問。16年前に母親が画家である父親を毒殺した容疑で有罪宣告され獄中死、そして自身は幼少時にカナダの親戚の家にあずけられ…という過去を持っていた。その母は無実であることを遺書に記していた。なので再調査をしてほしい!

すぐにポアロは事件を担当した弁護士や刑事に話を聴きに行く。そして、現在も存命の事件関係者5人にさらに詳しく聴きとり調査へと向かう。

毒物の瓶を隠し持っていたこと、犯行動機、「殺してやる」という発言を目撃されたことなどから、やはり妻が殺害したことは揺らがない。夫には自殺する動機もない。
しかも裁判では一切争う姿勢を見せず、その態度が犯行を認めたものとされた。

それでも本当に妻が夫を殺したのか?それとも自殺か?それとも他に真犯人が?

隣家に住む被害者の親友、薬草から毒物を抽出したその兄、被害者の画のモデルとして事件現場に滞在していた自由恋愛な若い女、容疑者である妻の幼い妹、その家庭教師、の5人に事情を聴くポアロ。

なにせ16年前の浮気亭主とその妻による夫婦喧嘩の末の毒殺事件を聴き込み再調査という、ほとんど進展のない地味な展開。
第2部で5人の手記を読んでいるうちにだんだんと真実が見えてくる…ということもない。劇的に何か新展開があるということもない。読んでいて退屈。

娘への手紙にはアレが書いてあるけど、妹への手紙にはアレが書いてない!
さすがポアロは目の付け所が違う。

表向きそう見えていることは、実はそうではない。というお話。
ラストはそれなりに驚くかもしれないが、ちょっとややこしいことになってるけど予想の範囲内。そしてやっぱり証拠もない。

クリスティ愛好家たちの間では人気の作品らしいけど、期待したほど面白い感じはしなかった。これもやっぱりマザーグースはとくに事件と関係ない。

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