THE LAST WOMAN IN HIS LIFE by Ellery Queen 1970エラリー・クイーンって1970年になっても作品を書いていたんだな。ぜんぜん評判を聞かない作品だから、おそらくつまらないんだろうと確信していた。
だが、つい買ってしまった。
エラリーくんとクイーン警視は1970年にはいったい何歳だ?クイーン警視はまだニューヨーク市警で現役?アメリカには定年退職とかないのか?
空港で誰かを見送ってるシーンから始まる。何か痛い失敗をしてしまった後らしい。これは前作からつながってるの?
そこでエラリーくんはハーバードの旧友で資産家ジョニー・ベネディクトと再会。弁護士といっしょに空港に着いたばかりらしい。
しかもこの旧友はエラリーくんにとって懐かしいライツヴィルに別荘を持っているらしい。招待に応じて週末までを過ごすことに。
だが、この資産家は週末に弁護士とその秘書と、3人の前妻を呼び寄せて遺言を書き換えることになってるらしい。
エラリーと父クイーンはジョニーから、証人として最新の遺言状に署名させられた。
その夜、離れで寝泊まりするエラリーの部屋へ、内線で助けを求めるジョニーの声。
急いで母屋へ行って見ると、旧友はベッドのそばで殴り殺されていた。「誰がやった?」というエラリーくんの問いかけに被害者が電話で伝えようとした「ホーム…」とはいったい?!以上が第1部。
エラリーも署名した最新の自筆遺言書によれば、ジョニーはローラという女性に全財産を相続させるつもりだったことが判明。ローラって誰?
そして3人の前妻の醜い工作。第2部は読んでいてムカムカする遺産相続争いがぐだぐだ続く。この本を読みだしたことを後悔し始める。
第3部でエラリーくんは、3人の前妻それぞれから盗まれたガウン、かつら、手袋が残されていたこと、そして無くなっていた何かに注目。ロジックで犯人を絞り込む。
犯人の正体が「えっ?そういうオチ?!」って思わなくもないが、ダイイングメッセージと登場人物たちの名前、そして被害者の吃音の関係とか、作者のアイデアにそれなりに驚いた。
でもやっぱり、思わせぶりに関係する人物たちを追いかけておいて、やっぱり関係ないっていうところがこの作者らしい。
このアイデアでこれほどの長編にする価値を見出せない。犯人のさめざめとした独白が長いのも嫌。
この作品がライツヴィルシリーズの最終作。このシリーズを愛してもいない自分からすると、ライツヴィルの描写の細かさ、固有名詞の多さがしつこい。よほどエラリー・クイーンに思い入れのある読者でないかぎり読まなくてもいいかも。
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