2018年7月26日木曜日

浜辺美波「君の膵臓をたべたい」(2017)

「君の膵臓をたべたい」(2017)をやっと見る。誰が見たってビジュアルから難病ものだと推測がつく。製作配給東宝映画。主演の浜辺美波は東宝芸能の新しいお姫様。

「もうすぐ死ぬ」という同じクラスの美少女が浜辺美波。映画開始冒頭から「セカチュー」のように大人になった現代と過去をクロスするようなカットが続く。
その秘密を知っているのは主人公ただ一人だけ。
誰だって美少女の死に直面すれば小栗旬のような無口な先生になる。

浜辺美波は昭和の美人女優のような風貌。実際おじさん映画ファンからも大人気。最近はスタイルが良すぎる若手女優が多い中で、こういうリアルな女子高生女優は貴重。見ていてとても安心できるどこか懐かしい雰囲気の映画。

この映画の浜辺美波は5割増し以上に破壊的に魅力的。芝居がかったヒロインを自然に演じてることに脱帽。どのシーンでも表情がビシッと適格に決まってる。
ヒロインは明るく積極的。独りぼっちぼんやり男子よりも優位に立って余裕をかます。暗く引っ込み思案な男子を秘密を共有することで巻き込む。
美少女に命令されたり強引に振り回される。それは男子の夢w

強引に「お泊り旅行」に連れ出されるとか、漱石の「三四郎」も連想。
「君も覚悟を決めなさい♥」「一緒の部屋なんだけど、いいよね♥」
これ、男女が逆なら成立しない。強引なのが可愛らしい女の子だからこそドラマになる。
原作者は男だろうなと想像。調べてみたら正しかった。このヒロインは男にとって理想的に過ぎやしないか?

ヒロインの親友が大友花恋。「なんでアンタが桜良とつきあってんの?」と北村匠海をねめつける。え?お前じゃ役不足ってこと?それともLGBT?ああ、10代の少女ならではの心理か。
この子は中学生のころは可愛かったのだが、その後、人気の面で広瀬すずや浜辺とはだいぶ差をつけられたな。
成長すると北川景子。高校時代の親友を若くして病気で亡くすとみんな心に空白ができる。

またまた矢本悠馬も登場。「賭けグルイ」で浜辺と対決してたけど、この時点で共演してたんだな。で、こいつが成長して現在になると上地雄輔。北川景子と結婚する。
説明的なカットがなくても、こいつが成長してこいつだってすぐわかるように演じる役者ってすごい。
「ガム要る?」が3回目もスカすかと思いきや…、やっとコミュニケーション成立。こういうのがドラマだ。
このヒロインがとにかくいつも笑顔だし大人の女の余裕を見せつけまくる。なんで?そこ、ずっと疑問。女の子はいつも男子より大人だけど。
それにこれだけ大問題抱えてるにしては両親というものがとても希薄。海外の人が最近の日本映画で常に疑問に思うところ。親というものは経済的支援だけしてればいい存在か?

このヒロインが主人公とよく賭けに出る。「賭けグルイ」を連想。だがやっぱりこれは「セカチュー」だな。死を意識したら旅に出る。
さあ、これから楽しい北海道旅行だというシーンがあまりに希望に満ちていて、ああ、この後の悲劇のフラグだ…と思っていた矢先に通り魔事件でヒロインが刺されて死亡。予想外過ぎて絶句。
犯人はあの学級委員長かと思ったら違うのかよ!w

難病ものの常だが、重いものを背負ってしまった男は廃人同然。葬式にも行けない。
1時間30分を過ぎたらこれまでの回想が始まる。主人公を振り回し続けたヒロインの真実。ここから先は何度も涙。

そしてヒロインが図書の中に隠した手紙を小栗が発見。12年の歳月を経て、北川景子の元へと届く。
「僕と友だちになってくれませんか」への回答。そこは「遅すぎるわよ、バカ!」だろうと思ったら…、やっぱりそうか!w
女優がスターになるきっかけはこういった映画。浜辺美波にとってはこの映画がブレイクポイントになったことは確か。この映画は今後10年は語り継がれるかもしれない。

タイトルがエキセントリックなわりと普通。もうちょっとひねくれたラストが欲しいとか期待してた自分はもういろいろとダメかもわからない。

主題歌はMr.Children「himawari」

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