2018年7月31日火曜日

中町信「天啓の殺意」(1982,2005)

中町信「天啓の殺意」という本も「模倣の殺意」と一緒にあったので購入してしまった。ひょっとすると面白いかもという期待を込めて。

1982年に「散歩する死者」として発表された作品。2005年に改題して創元推理文庫から出版されたもの。自分が手に入れたのは2013年第4刷。100円。

推理小説作家が猪苗代湖畔の温泉宿から失踪し自殺とされた事件と、栃木県黒磯市の町工場の専務が猪苗代湖畔の林の中で死体となって発見された事件がどう絡むのか?という1冊。たぶん地味なアリバイ崩し的なジャンルだと思った。

やっぱり時系列がわかわからない書き方で、自分のようにさらさら読み流す読者は現在地を見失う。たぶんミスリードの罠だらけ。あれとあれの繋がりはどうなってる?!
こいつが犯人かと思いきや別の犯人が浮上?

終盤、被害者の女専務が立ち寄った二本松の女性が「なんども警察から話を訊かれてウンザリ」という話の中で「東京から来た男」という箇所が最初のビックリ。「東京から来た女」でなく?!そしてミカン色の紅茶茶碗って前に出てきたけど何だっけ?!
そして誰?って人物が登場。

かなり予想外のラストが用意されていた。ジャンル的に叙述トリック?これはかなりの力作。「模倣の殺意」よりもこちらのほうが面白かったけど、この作者の語り口がかなりわかりにくい。

たぶん一回読んだだけではわかりにくい。だが面白かったという印象は持った。数年後に読み返したい。

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