芦原すなお「猫とアリス」(創元推理文庫 2015)を読了。この本も「雪のマズルカ」と一緒に買った1冊。いつもヘビーな本ばかりだと疲れるので、たまにはライトなものをということでカンで選んだ。2015年と新しい本なのに100円で購入して申し訳ない。
未亡人ハードボイルド探偵稼業の5短編からなる1冊。創元推理文庫だから推理ものか?と予想してたのだが、そんな要素はあまりない。
「雪のマズルカ」がヒロインの女探偵の半生がメインだったのに対して、「猫とアリス」は、ヒロインが調査にいく先々で現れる青蛇という総合格闘技の殺し屋青年が主軸。5作すべてに登場。
女探偵は青蛇に命を救われたりする。奇妙な絆で結ばれる。最終話「無間奈落」は青蛇の過去が描かれる。母親を殺した巨大な悪への復讐のためだけに生きてきた悲しい過去。
この作者は無駄に細かい描写とかまったくない。探偵と調査の依頼者の会話がひねくれていてドライで軽妙で魅力的。この女探偵がとてもめんどくさい性格。仕事を選べる立場にいるって良い。
中年男性の依頼者がどれも似たような質感で描かれる。アラフォー女は男の衣服や言葉遣いや知性のレベルや雰囲気にとても敏感。
ドラマ脚本のようにすらすら読める。映画やドラマ化の話とかないのかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿