自分、江國香織原作映画はいくつか見たことあったけど、本を読むのは人生初めて。2017年末から2018年にかけて読んだ。
東京の宮坂家6人家族のたいした事件も何も起こらない日々を描いている。
主人公は高校を卒業してバイトも何もしていない三女こと子。
こと子の私主観で家族の説明と会話劇。こと子は初めてつき合った大学生彼氏といくつかデートをした末に円山町のホテルで「肉体関係」ぐらいしか事件といえるようなことが起こっていない。
短大を卒業し税理士事務所に勤める宮坂家唯一のワーキングウーマンが次女しま子。
ある日「大切な人」を家に連れてくるというので家族がそわそわしてると、やってきた人が同じ会社の女の子。
「彼女、妊娠してるの」「赤ちゃんは私が育てようと思うの」家族「……」やっと事件っぽいことが起こる。
だが、これも本の筋とは関係なかったw
末っ子の弟・律は中学3年生だが、美少女フィギュア職人っぽい。そのことで私立中学から停学をくらう。これは理不尽。家族も憤る。これもたいした事件じゃない。
母親はハムスターの話ばかり。
嫁に行っているおとなしい長女そよが実家に戻ってくる。どうやら離婚するらしい。この話題はず~っと続いてるので、この本のライトモチーフ。だがこれも理由などはまったくわからない。みんななんだかぼんやりしてる。
ヒロインはどのエピソードにもそれほど深入りしていない。淡々としている。よそ様にはわからない家族というものはこんなもの…と描いてる。
やや保守的な父親が一体何を仕事にしているのかまったく不明。最寄り駅までバスで出かける東京郊外庭付き一戸建てに4人の子供が同居してても特別裕福なわけでもないし生活が苦しくもない。
日常の細かい動作や、買ってくるもののブランドなどは細かく描写されているのに、肝心な点は一切がぼやかしてある。
この本はとても読みやすい。こんな家族いるのかな?ってもやもやするけど、刺激もストレスもとくにない。ある意味90年代のヘンテコなサザエさん一家物語。
77pにこと子が律に借金を申し込む場面。
CDプレイヤーのスイッチをおす。もやもやとささやくような、曖昧な女性ヴォーカルの声が流れる。きっとイギリスのバンドだ。という箇所がある。ひょっとして時代的にマイ・ブラッディ・ヴァレンタインか?!そこ調べても誰も言及してない。
ちなみに律くんは69pでジェリーフィッシュを聴いている記述がある。
「流しのしたの骨」という言葉は最後のほうでやっと出てくるけど、なんでこれがタイトルなん?って思った。
ところどころ声に出して読んでみたくなるような新鮮な表現はたくさんあった。
ちなみに、自分がこの本を開いた理由は玉城ティナ。年末年始のために玉城が買った本のリストにこれがあったからw ヒロインと同じ年代の玉城には面白く読める本だったかもしれない。
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