川端康成原作の「古都」が松雪泰子主演で2016年に映画になっていた。
自分、この映画の宣伝をまったく見なかった。びっくりするぐらいなにも話題になってない。
主題歌が新山詩織の「糸」だったのと、橋本愛が出てることしか情報を知らなかった。
「古都」は岩下志麻版、山口百恵版があるのだが、どちらも見ていない。原作も読んだことがない。唯一見たのは上戸彩版のテレビドラマ。でも、どんな内容だったか覚えていない。
なんの予備知識もないまま見始めると、一人二役が中年女性になったその後の現代を描いているようだ。もちろん川端康成は関知してないその後世界の脚色脚本。
オープニングで京都の古い町並みと平成の現代がごちゃまぜ風景を映す。時代から取り残されたような西陣の街も多くが店じまい。周囲は虫食いコインパーキング化。
着物を着る人がいないのに、どうやって呉服店とかやっていけてるんだろう?
ヒロインの娘・橋本愛が自転車で出かけて角を曲がるとそこは京都の大通りの繁華街。急に時代が変わったかのよう。
橋本は就職活動中の女子大生。当たり前だが、女たちはみんな京ことばで話す。
女子大生の就職活動と面接の風景って、映画でもドラマでもみたくないわ。入社してやりたいことなんてあるわけないやん。採用する側が偉そうで嫌。鼻で笑う京都人面接官、人間としてサイテー。「あー、こいつダメだ」って心で思ったとしてもキレるなよ。面接に来てくれてありがとうぐらい云え!
もう一方のヒロインの娘・成海璃子は絵画を学ぶためパリ留学中だが大スランプ中。こういう映画だとかならず市場で食材買うシーンがあるなw 自分、海外行っても話せないからスーパーで買ってたわ。学生同士の芸術論会話が虫唾は走るわ。
登場人物たちが全員名優たちなので、脚本がよほどひどくなければつまらないにしても見れるものにはなるだろうと期待していた。
監督もカメラマンも海外で活動してた人らしい。どうりで視点がちょっと海外のクリエイターっぽいエキゾチックさ。自分がまだ見たことのない京都の風景を映し出してた。海外では需要がありそう。
でも自分的には、ないな~って映画。ゆったりと千年都市に暮らす人々の情緒優先薄味ドラマ。
書道先生とパリへ行く橋本愛、そして日本舞踊。「リトル・フォレスト」と同じようなクライマックス。美しい。もうすっかり大人の女性。
だが、バックで進行するコネ採用の件で母親が詫びを入れに行く現実シーンとか見苦しい。あ~、嫌だ。
そして橋本はパリの教会で成海璃子と出会う。これが「古都」のお約束。このシーンの二人が不思議すぎる表情をしてる。
0 件のコメント:
コメントを投稿