2017年9月18日月曜日

エラリー・クイーン「エジプト十字架の謎」(1932)

エラリー・クイーンの国名シリーズ、2冊目は「エジプト十字架の秘密」を読む。
こいつは井上勇訳の創元推理文庫1959年版の1990年の第59刷。100円でゲット。

首を切断されT字の十字架に磔にされた死体が発見されるという、エラリーにしては猟奇すぎる展開。

エラリーってクリスティに比べると無駄な部分が多すぎるような気がする。2つ目の首なし磔死体が発見されたロングアイランドの事件の描写が長すぎて飽きたw 470ページの大長編。

パイプの件やチェッカーゲームの件、第4の殺人事件現場での薬瓶の件でエラリーらしいキッチリした論理的絞り込みとかあるけど、全体としては古典的推理小説というより「羊たちの沈黙」みたいなサイコスリラーだった。映像を想像しながら読むと怖い。

犯人はモンテネグロ人ヴェリャ・クロサックであることがわかってるのだが、そのクロサックの正体が一体誰なのか?が争点。
終盤になるとアメリカ東部4州にまたがる大捕り物的展開でハラハラさせる。

最後に犯人の正体がわかる。犯人は男だというから、絞り込んで想像していたけれど、まったく予想外すぎた。
だが、だからなんだ?とも思った。真の動機が今一つとってつけたようで納得しがたい。

「エジプト十字架の謎」はエラリーの作品でも上位に来る人気作らしいけど、自分は「オランダ靴」のほうが良いと感じた。

4 件のコメント:

  1. 川崎鶴見U2017年9月18日 21:46

     着々と読み進んでおられますね。あれこれしながらハイペースなのにびっくり。

     国名シリーズ9作(「ニッポン樫鳥」は原題からして国名シリーズではない)
     読んでいて自分がエラリーに同化したみたいに、ピッタリ正解だったという点で「オランダ靴」に愛着があります。
    「ギリシャ棺」と「オランダ靴」がトップで「エジプト十字架」が次。「ローマ帽子」がけっこう好き。「フランス・パウダー」は正直内容覚えていないな。
    「シャム双子」と「チャイナ橙」は読者次第な気がする。「アメリカ銃」がドベかな。
    「オランダ岬」は前にもコメントしたけど、登場人物蘭の犯人名にラクガキが・・・古本買うとき要注意!

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  2. ここ1年ぐらい音楽聴くのとテレビを見る時間が、かつての10分の1ぐらいになったかもしれません。そのかわりにとにかく本のページをめくってます。

    実はもう1冊エラリーを読んだのですがそんなに面白く感じられず懲り初めてしまってて…。
    次は「ギリシャ棺」が見つからない限り買わないかも。今日も「ドルリー・レーン最期の事件」見つけたけどやっぱ棚に戻してしまった。

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  3. 川崎鶴見U2017年9月19日 21:59

    「オランダ岬」 → 「スペイン岬」でした。失礼しました。
    「最期の事件」と「Zの悲劇」は棚に戻すのが正解ですねwww

    もうすこし新しい作家で(といっても今年お亡くなりになりました)コリン・デクスターがブロガーさんに合いそうです。
    ついでがあったらハヤカワの棚で探してみてください。13冊出ています。モース警部のキャラが立っていて、論理的な推理が魅力です。
    「ウッドストック行最終バス」「キドリントンから消えた娘」「謎まで3マイル」がお勧めです。

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  4. コリン・デクスターですか…、その名前は今までまったくかすってもいませんでした。これからチェックしてみます。

    やっぱ「Z」「最期の事件」は読まなくてよさそうなんですね。なんとなく良い評判を聞かないので、つまらなそうってw

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