たまたま入ったBOが、古い創元推理文庫が充実した店だった。108円で3冊買ってきた。まずはエラリー・クイーンの「悪魔の報復」(THE DEVIL TO PAY 1938)。
今回手に入れたものは青田勝訳の1975年文庫版の1983年第19刷。
こんな作品、名前も知らない。ツイッターで調べてみても、こいつはあんまり読まれていないようだ…と思いきや、ハヤカワ文庫版では「悪魔の報酬」という邦題らしい。
この作品はハリウッドが舞台。初期国名シリーズとライツヴィルシリーズの間にあるのが「ハリウッドもの」らしい。
なんとエラリーくんはハリウッドの映画会社で脚本を書いてる?え、あごひげ?
この本では新聞社の記者ヒラリー・キングを名乗って後半あたりから捜査開始。
エラリーくん、育ちがいいわりにケンカっぱやいな。この探偵の姿をまだ自分はつかめていない。
多くの株主に大損を負わせておいて、自分だけ資産を残して恨みを買う強欲資産家が、自宅で刺殺体で発見される。ちょっと変わった息子とその婚約者の父で共同経営者、アリバイをめぐる駆け引きのようなもの。遺産をめぐる遺言。そのへんの説明と恋愛ドラマが提示される。中学生とか読んでもよく意味わからないだろうなって会話。
いままで読んだエラリー本の中では登場人物も少なくてわりとシンプル。ドラマが生き生きと脳内再生できた。
だが、それぞれが秘密をもっているらしいが読者には示されないってことで複雑にしてる。読んでいてイライラする。お互いに相手をかばおうとしてドラマが成立。
ピンクという体育コーチのキャラが自分には計りかねた。どこにも書いてないけど、言葉づかいから判断しておねえキャラ?
住居不法侵入や盗聴まで手に染めるエラリーくん、いつものようにカッチリ論理で犯人を絞り込む。ラストではそれなりに意外な犯人を挙げる。
面白かったか?うーん、68点ぐらいかな。
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