エラリイ・クイーンの代表作「Yの悲劇」(1932 Ellery Queen : The Tragedy of Y)宇野利泰訳のハヤカワ文庫版(1988年版の2012年第16刷)をやっと見つけた。
なんと460円もした。状態もそれほどキレイというわけでもないのに高い。やはりミステリーはマニア向けなのか。
自分はこの本を12歳のときに読んだ。そのときは新潮文庫版だった。
当時の自分の語彙読解力で内容すべてが理解できていたとは思えない。
だが、それでもこれを読んだ当時、あまりに予想外な犯人と動機と異常な構造に、物語としての面白さに、呆然となったことは覚えている。
今再び読んでみればより理解できて面白いんだろうと、ずっと捜していた。見つけるまで数年かかったw
細部はもちろん覚えていないのだが、マンドリンで撲殺とか、ヴァニラの香りとか、エピローグでのドルリー・レーン老人探偵の沈黙とか、そういうところは覚えていた。
ネタバレになってしまうので多くを語れないが、この本を読んだことで、こんなパターンもあるのか!と子供だった自分は驚いた。何度も驚くポイントがあるし。これが世界の傑作推理小説の古典か!と思ったわ。
でもやっぱり…、長いわな。それに、犯人の正体を知ったうえで読むと面白さ半減。
毒入り梨を持ち込んだ犯人と、老婦人を撲殺した犯人が同一人物であるという結論の部分とか、数学のごとくきっちりしすぎた論理学で、今の自分が読んでもわかるようなわからないような感じ。
この本を再び読むというここ数年の課題をようやくクリアした。今回も面白く読めたが、やはり初めて読んだときの感動を超えるものではない。
PS. この本を最後にエラリイ・クイーンの本にまったく出合えていない。百円発見率はこの1か月ゼロ。
510円とかの値段がついているのを見ると、アマゾンで1円出品に送料払って注文したほうがいいなと思う。
だが、日ごろBOに多大なお世話になっているので国内企業を支援するためにも店舗で買おうとも思う。
「Yの悲劇」。ついにクリアされましたか。おめでとうございます。やっぱ、犯人が分かっていると興味は半減しますよね。
返信削除ミステリファンはだいたい初めにクリスティーの「アクロイド殺人事件」か「Y」でショックを受けるのですよね。
私も初めて読んだときは「アクロイド」ほどのショックはなかったけれど、こんな犯人設定あり? と驚きました。いまなら何でもありだけど。でもそこは論理ミステリーのクイーン。ちゃんと合理的な説明が付いています。
三重苦のヒロインが手探りで犯人に触った状況を説明するあたりが強く印象に残っています。「ヴァニラの匂い」とかマンドリンとか。
ドルリー・レーンシリーズは「ドルリー・レーン最後の事件」までの4冊が1セット。
「Zの悲劇」と「最後の事件」は同じヒロインが実質の主人公。出来は「X」「Y」程ではない。クイーンでも中位の作品。
ただ「最後の事件」は「X」「Y」「Z」全部に係るショックが待っています。
話は変わりますが、ブックオフがだいぶ苦しいようですね。無くなってしまうと困るなあ!
ブックオフ業績不振に苦しむ 書籍以外の商材拡大は進むか yahoo.headlines
実はZも読んだはずなのですが、まったく印象に残っていません。完全に忘却してますw もう、ドルリー・レーンはいいかなあw
返信削除BOが家電やスマホや衣類やいろんなものに手を出して迷走してて今後が心配。買い取りにも苦戦してるっぽいなあ。
何か買うといっても自分の場合たいてい1冊100円の文庫や雑誌、500円以下のCDばっか。
自分はBOで200円で買ったTシャツも着ていますw いろんなものを掘り出す楽しみはBOが教えてくれた!