2017年4月25日火曜日

バベル(2006)

ピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」が24年ぶりに来日展示されているというので、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の2006年カンヌ監督賞ウィナー作「バベル」を初めて見る。日本ではPG-12というレーティング。
これ確か、まさみも見たってどこかで言ってたはず。もうすべてまさみのせい。

砂漠でヤギを放牧してるモロッコ人一家、銃を買う。おい、子供たち、いくら未開でも通りがかったバスを撃つなよ。
この銃撃でアメリカ人観光客ブラピ夫妻の妻ケイト・ブランシェットの肩に当たり重症。テロ事件か?!と大騒動。

息子の結婚式に出席したいメキシコ人家政婦、帰国できないブラピから「たのむよ、君しかいない」とさらなる世話を頼まれる。息子と娘を連れてしかたなくメキシコ国境を越える。

開始20分、いきなり日本の見慣れた光景。菊地凛子がどう見ても女子高生に見えない。だがこの子は聾唖の女子高生だった。じゃあ、ある意味いろいろリアル。スカート短すぎ。

この映画を見て一番印象に残ったことはアメリカとメキシコの関係だった。アメリカ人から見ると、メキシコ人→酒飲んで踊ってる不法就労者ってイメージか?
モロッコ人→未開、日本人→若者はみんなバカ&セッ〇ス、って見られてるように感じた。

いつも美男美女ばかり集めた映画やドラマを見ている日本人からすると、メキシコ人監督による日本は見ていて居心地の悪いリアルさ。

未開の国で大怪我を負うことが絶望なことだと知らされる映画。ブラピ夫妻が砂漠の村でドツボにはまっていく様がまるでグダグダコントw 救急車が何時間待ってもこないんですけど!医者が獣医なんですけど!村の民家の土間に寝かされて、そこで傷口を縫われる、この恐怖!w

団体バスの老人観光客たちがガソリン節約のために冷房を切られ体調を崩し、暗くなると治安が心配だからと早く村を出発したがる。次第にブラピが焦りまくってパニック&ブチギレ。

菊地凛子が男の子としたいのに聾唖で相手にされない欲求不満で性獣化。知的にも障害でもあるのか?性を押さえきれずに局部露出だの、歯医者さんにちょっかい出すだの、刑事さんがかっこいいからと部屋に呼び出して全裸だの…、なにこれ?怖い!w

菊地凛子のパパ役所はハンティングが趣味。猟銃をモロッコまで持ち込んでガイド雇って狩りをやってってどんだけ成金なんだよ。現地人にその猟銃をプレゼントとか複雑な手続きとか必要なのでは?
この日本人の持っていたたった1丁の呪われた猟銃がモロッコ人、メキシコ人、アメリカ人を不幸にする。

アメリカメキシコ国境でも同時にドツボ。車でサンディエゴまで送り届けてくれる甥が国境警備の警官にブチギレ。巻き込まれただけの叔母さんが子どもたちと哀れ砂漠に置き去り。
必死で子供たちを助けようとがんばってるのに警察が誰も話を聞いてくれないw なのに後で「どうして子供たちを置き去りにした?」、酷い。切ない。アメリカもヒスパニック系不法就労者の労働力に頼っているのに。

モロッコ人兄弟のお父さんも切ない。モロッコ警察にボッコボコにされる老人夫妻も切ない。ブラピも切ない。未開の国に気軽に行ってはいけない。

143分と長い。ひたすら忍耐。だが、自分はわりと面白く見れた。どんどん絶望的ピンチに追い込まれるも…やがてかすかな希望。

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