関裕二「関裕二 「おとぎ話に隠された古代史の謎」(PHP文庫 2008)という本を手に入れた。2005年に出版され2008年に加筆修正を加えて文庫化されたもの。108円だったので買った。
関裕二本は自分にとってこれで4冊目。この著者ならではの8世紀の朝廷が「日本書紀」で隠蔽抹殺した、それ以前の本当の歴史(神功皇后や出雲)は口伝えされたおとぎ話にこそ残されているという趣旨の1冊。
手ごろで薄いのでこの冬、ポケットに入れて電車やライブの待ち時間に開いて読んでいた。これまで読んできた関裕二本と大体内容が被っているので、それほど集中力が要らないライトな本。
「竹取物語」で一番酷い人物、かぐや姫が求婚者に要求したモノを偽造し、それを作った職人に代金を払わずに痛めつけたサイテー最悪な人物「くらもちの皇子」は時の権力者・藤原不比等がモデル?「竹取物語」は政権批判書?!
確かに、この人物は他の求婚者が要求されたモノを手に入れようと努力したけどダメでした…というのに対して、一段も二段も人間性の低いやりかたが汚いゲス人物として描かれている。
子どもの頃からよくわからない話の日本代表「うらしま太郎」「桃太郎」「つるのおんがえし」「羽衣伝説」「かごめ歌」に隠された背景を語っていく読みやすいエッセイ本。「口裂け女」伝説は縄文時代まで遡る日本人の記憶?!
あと、この筆者の著作によく出てくるのが「邪馬台国の2代目女王・台与=神功皇后」説。北陸日本海勢力の代表者・神功皇后が九州北部を征服し、やがてヤマトへというストーリー。
日本の昔話のコアは天の羽衣伝説で、豊受大神は邪馬台国のトヨ?という仮説をひろげていく。蘇我系天皇とその周辺にはトヨという文字が入った名前が多くね?と。
古代では邪魔者は殺してそれで済む話ではなかった。大物だった人物は非業の死を遂げると怨霊となって祟る。なのできちんと祀る必要があったために、神社の伝承をたどれば正史から抹殺された真実が見えてくる…という。
伊勢神宮の豊受大神はアマテラスが独りじゃ寂しいから連れてこられた神なのに、なんで女に女なん?って疑問。ホントは8世紀以前の伊勢の神さまは太陽神サルタヒコ(武内宿禰)だったかもしれない…という話へ展開。
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